「波」誌2025年10月号の作品より


「銀河濃し」より        銀河濃し時空を超えて逢いに来よ         山田 貴世
 
「初秋」より           マンションは籠の中だけ自然かな          西室  登

「蟲集く」より          己が身のレゾン・デートル問ふ猛暑        管山 宏子


潮集同人より8句

風死せり老の扉の半開き                本郷 秀子

恙なく暮れて浅酌軒忍                  稲吉  豊

素つ気なき返事向日葵西を向く             伊藤美也子

雲の峰ゲリラ豪雨の動き出づ               阿部千穂子

一炊の夢の長者や昼寝覚                 鎌田紀三男

夕焼やこの町少し好きになる                田中 順子

紫陽花や明月院ブルーの浄土              野口 尚子

筏師の木場の角乗土用東風               澤村いづみ



冨山ゆたか撮影 

灘集同人より12句

今日もまた命を削る炎暑かな              菅井 亮太

大夕焼消えてにはかに来る孤愁             髙橋きよ子 

夏炉の火座敷童の話など                 遠山 典子

また一戸空き家となりて星流る              板坂 歩牛

西瓜割る地球を破壊するやうに             濱田 聡子

ニコライの鐘や五月の古書めぐり            山田ツトム

夏鴨に小川自由な滑走路                 高谷南海絵
                    
あじさいや子等との暮らし濃く淡く             長野 保代

ラーケーションの成果は日焼小学生           岩倉 未央

江ノ電にアイドル踏切雲の峰               今井美恵子 

神集ふ入梅の街美酒に酔ふ               堀野カズコ

大夏野峯発つ雲の影走る                  中嶋 敦


霧野萬地郎撮影:エルミタージュ美術館にて、玉座の間(左)とマチスの「ダンス」
 

波集より13句



ベランダの空へわたしの虹が立ち             工藤加代子

その罪はどれほどのこと毛虫焼く              並木 凡人

正座して妻のアルバム繰る夜長               山下  巌

夏落葉散り込む外湯唯ひとり                 藤丸 美生

蕗味噌や漸う母の味に似て                 杉下 赫子

我に来て彷徨ふばかり蛍の火                土屋 良夫
  
万緑に甍を浮べ東山                      三宅 善夫

紫陽花の七色の夢語り合ふ                 渡辺 洋子
   
鬼百合や樹に括られて立ちており               青木 静惠

空蝉を大事にとっていた自分                  小泉 楽籠

一人居の一日只管草を引く                   外川 詔子    

ヌマワニの如き寝姿熱帯夜                  小鳥遊 彬
   
大夕焼群青に浮く栗駒山                    今野やす子
  







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