「波」誌2025年8・9月号の作品より


「花おしろい」より       平凡の凡を諾う花おしろい             山田 貴世
 
「夕涼」より           「まあいつか」それはそれとし夕涼          西室  登

「熱帯夜」より         熱帯夜座敷童といふデジャ・ビュ          管山 宏子


潮集同人より8句

雪渓にひょっこり栗鼠の顔が出た            霧野萬地郎

老鶯のの鋭きこゑの降る試歩の径           原口 海人

宵祭風にのりくる笛太鼓                  田邉 幸子

むくむくと吾を追ひ越す白毛太郎             田中美穂子

犬も驢馬もみんなくぐるや茅の輪立つ          富山ゆたか

曲家の糸繰り車花どくだみ                 鈴木朱鷺女

騎射過ぎるぱらりと膝へ馬場の礫             山田せつ子

踝の美しき少女や卯波                   伊藤真理子



冨山ゆたか撮影 

灘集同人より12句

尺蠖が伸びきつてゐる倦怠感              井上美沙子

白南風やひと目千里の千賀の浦             菊地ゆき子 

介護バス今日は徐行の花の下              大平 政弘

枇杷たわた嫁ご良く肥えよく笑う             渡辺 初子

無言館辞す八月の空青し                 岸    健

夏鶯四方の山気を纏ひたる                開米 遊子

もてなしの豊かな訛麦の秋                宮沢 久子
                    
茅花流しみなとのホテル帆のかたち            関   美晴

フルパワーローカル線の青嵐               上野 和行

緑蔭を己が部屋としテレワーク              星野 朋子 

存亡の大糸線や草いきれ                 上野 和行

煙突の高さ際立つ五月晴                  酒向  昭



霧野萬地郎撮影:ウラジミールの土塁・黄金の門   スーズダリの教会と牧童
 

波集より13句



子を持たぬ父の日暦白きまま               並木 凡人

どの田にも水満ち満ちて風薫る               増田 浩子

竹皮を脱ぐ青天へまつしぐら                川島  隆

覆る米の常識青嵐                       大谷みどり

今日は芒種行列の先備蓄米                近藤由美子

若竹の一皮剥けたいなせ立ち               中出 義隆
  
男爵は勲章得たり紫花                    久住眞太郎

紫陽花の雨さえ染める鮮やかさ              斎藤 華子
   
これよりは私の時間籐寝椅子                鈴木 絹子

芍薬や壺は青磁にきめており                 杉下 弘之

田水張り郷は緑に設えて                   赤城 義高    

有平棒のくるくる上る薄暑かな                星野いずみ
   
江ノ島には浜昼顔がよく似合う                加藤 浩子
  






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