「波」誌2025年7月号の作品より


「貝風鈴」より         海を恋う音色か島の貝風鈴             山田 貴世
 
「夏来たる」より        晩成の人は目立たず栗の花              西室  登

「青田波」より         日の本の宝と言へば青田波             管山 宏子


潮集同人より8句

口遊ぶ「荒城の月」夜の新樹            中野 淑子

笑ひ声聞いて金魚の良く育つ            加茂 一行

仲春や雲の百態見て倦くず              石垣みち代

夫は戦地妻は隣国虹二重              石井  眞

父の息足して整う紙風船               山下 遊児

野に菫我に小さき詩心                鎌田紀三男

黄金週間軍艦島の荒廃                野口 尚子

J・O・A・Kで始まる百年花水木            澤村いづみ



冨山ゆたか撮影 : 旧前田家和館にて

灘集同人より12句

赤き薔薇添へて愛車を手放せり                 君島 京子

忽と消え突とご帰館春の猫                    中嶋  敦 

神馬亡き厩の静寂青葉寒                     菊地ゆき子

さくら咲く校門は今朝日本晴れ                   亀倉美知子

ポスターは花の旅へと我誘う                    長野 保代

キリンの舌にゅーっと伸びて夏に入る               濱田 聡子

席ゆずり立った窓より春の富士                  石田 百夏
                    
半纏を着て打ち合わせ村立夏                     髙津 康子

イベントや風船あげて意気あげて                  小笠原 夏

ちと喧し会話習得鴉の子                       畠山 久江 

うららかな出羽の山々神々し                    堀野カズ子

わんさわんさと詰め放題の若布かな                遠山 典子



霧野萬地郎撮影:モスクワのワシリー聖堂 と クレムリン
 

波集より13句



潮溜まりくるぶしまでの涼気かな              並木 凡人

春霞長汀曲浦隠しけり                    菅谷  睦

樹木葬あの木この木の芽吹きかな             杉下 赫子

種袋振れば命の音さらら                    阿片美鶴穂

骨密度平均値なり夏初め                  大場きよし

入相の鐘おしくくむ郷の春                  松岡美由紀
  
桜餅東と西で菓子談義                     竹中 晃子

庭石の罅に根を張る雪柳                   渡辺 洋子
   
一房の水面にとどく藤の花                  西 かな子

式部像宇治川沿ひにのどけしや               外川 詔子

彼の丘の野ばら咲くらむ見に行かむ            飯塚 一英    

菜種梅雨行方知れずのもぐら穴              今野やす子
   
目覚しは鳥のさへづり夏隣                  永尾 陽子
  






「波」のホームページ・トップへ       前月へ      次の月へ