「波」誌2025年4月号の作品より
「亀鳴けり」より 花万朶移築古民家釣瓶井戸 山田 貴世
「花七句」より 見尽くせぬ京の花曳く後ろ髪 西室 登
「桜季」より 夜もすがら桜の嗚咽上野山 管山 宏子
潮集同人より8句
保護犬の目が語り出す日向ぼこ 本郷 秀子
背筋凍つホロコーストの遺品の嵩 中野 淑子
与太話閑話休題牡丹鍋 石垣みち代
三日早自転車レース土手綴る 田中美穂子
星空を浜に還してどんど果つ 山下 遊児
母の悲恋ありて今あり枯木星 鎌田紀三男
地震豪雨はね除け能登よ春北斗 野口 尚子
啓蟄や草加松原四方の晴 澤村いづみ
冨山ゆたか撮影 : 落花
灘集同人より12句
天空に在庫いかほど霏々と雪 高谷南海絵
みちにくは天から地から冬が訪ふ 板坂 歩牛
雪三日会津城下を封鎖する 菅井 亮太
初音聞きし札所巡りの地を偲ぶ 畠山 久江
音なき降り田の凍鶴となりにけり 千乃 里子
合掌の屋根白銀に寒月下 中嶋 敦
ざくざくとガラス踏む音霜柱 星野 朋子
七種粥戦地の子らに食ありや 建野ケイ子
小寒や町から消えし夜泣蕎麦 今井美恵子
煮凝りやひとりの宵をかみしめる 永井かほる
年男八度目となり曾孫抱く 秦野 方利
冬暖か家族七人猫送る 岸 健

霧野萬地郎撮影:ミャンマー・インレー湖の伏せ網漁師
波集より13句
冬薔薇孤高を誇りすつく立つ 斎藤 華子
都心の雪泡沫となる朝寝かな 本城 清
風花やミシンの音の時刻む 渡辺 洋子
鮟鱇の吊し切り刻人盛る 杉下 赫子
麓まですべて真白き雪の富士 菅谷 睦
それなりに生きて夫婦の年の豆 村田 和子
珈琲たて普段に戻る二日朝 井上 尚子
宝船枕の下に敷いてみた 杉下 弘之
黙々と三日の朝の洗濯機 大谷みどり
うかれ猫我が家は君に大迷惑 石河 真通
武蔵野の冬空高し友逝きぬ 加藤 浩子
求愛の千の丹頂鳴きにけり 片桐眞知子
春めける畑に一服老夫婦 佐々木照子

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