「波」誌2025年5月号の作品より

「葉桜」より            葉桜の影さわさわと段かずら             山田 貴世
 
「初夏」より             深山咲く石楠花の無垢かぎりなし           西室  登

「鯉幟」より             鯉幟風をはらみて曾孫の日              管山 宏子


潮集同人より8句

海霧深し小船に揺れつ樺太へ           霧野萬地郎

つくし煮て思い出酌めり一人酒           田邉 幸子

痛たたた整体治療建国日              石井  眞

半仙戯未来に過去に振れにけり          冨山ゆたか

一斉に降り立つ雀いぬふぐり             鈴木朱鷺女

燭おぼろ青衣の女人出づる刻            飯野 深草

竜天にのぼり累卵めく地上              山田せつ子

草の餅厨は今も妣の丈                伊藤真理子


冨山ゆたか撮影 : 

灘集同人より12句

梅一輪きっと吉報来る余寒                  今野 勝正

AIに呼ばれし眼科冴え返る                  田原梨絵子 

雨早よ来春陸奥の山火事に                  中嶋  敦

早口も一芸のうち鰊競る                    高谷南海絵

春やはる猫のくしやみのとまらない              酒向  昭

さつぱりと過ごす老後や木の芽晴れ             蓬田 和子
                    
斜陽指す変化刻々冬の峰                    上野 和行

今はもう空の牛舎や涅槃西風                  関  美晴

みちのくの三月行きつ戻りつす                 菅井 亮太

その先は母なる海や雛流す                   髙橋きよ子 

爪立ちて娘の髪を結ふ卒業日                  清水 茂代

春愁や昨日と同じ愚痴を吐く                  筒井 洋子


霧野萬地郎撮影:ミャンマー、インレー湖の朝 と ゴールデンロックへ向かう信者を乗せるトラック

波集より13句

雪解けの樋に音符の踊るごと              渡辺 洋子

北風の何故我だけに吹いて来る             神崎 芳孝

冬帽子置いていつものカフェの席            山崎 美紀

髪切つてマフラー深く帰りけり               藤丸 美生

ため池でお相手見つけ春の鴨              竹中 晃子

啓蟄やそろそろ鍬を磨かねば               佐々木照子
  
山焦がし民おののかす春疾風                三浦 修子

春風やあいつはいつも先を行く               中出 義隆
   
梅ふふむ無縁仏は日をまとひ                村田 和子   

シンプルに過す老の日白梅香                本田 令子

老いひとり漕ぐ鞦韆もまた楽し               鈴木 絹子    

憂しと見し世に望外の初音かな              加藤 浩子
   
探梅の背の日ぬくし香のうれし               斎藤 華子
  






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