「波」誌2025年2月号の作品より
「枯木星」より 夫在さば何のこの世ぞ枯木星 山田 貴世
「冬来たる」より 湯豆腐に眼鏡くもるも先ず一献 西室 登
「春夙に」より きらめきは瞬間なのか春立つ日 管山 宏子
潮集同人より8句
はだれ野はトロイ木馬の轍かも 霧野萬地郎
日輪を沈め静かに山眠る 田邉 幸子
一陽来復を信じ亡命留学生 石井 眞
窓際で蜜柑を剥けば旅気分 山下 遊児
冬すみれ百寿の母は大往生 富山ゆたか
会ひたくて綿虫となり来たんだね 鎌田紀三男
振り袖に振り回さるる七五三 鈴木朱鷺女
煤帚竜神供養の三井の鐘 飯野 深草
冨山ゆたか撮影
灘集同人より12句
義母と訪ふとげぬき地蔵路地小春 開米 遊子
イノシシが鼿たる畑に黙り倦ず 板坂 歩牛
老杉の黙の重みも翁の忌 菊地ゆき子
裸木は怖いものなし悲嘆なし 今野 勝正
玄関の中に玄関冬ごもり 小笠原 夏
雪もよひ罅あと著き丸木舟 高谷南海絵
見張り役まへとうしろに鴨の陣 酒向 昭
産土や総身に浴ぶる公孫樹の黄 君島 京子
蓮枯れて力抜きたる池の水 髙橋きよ子
老木に秘むる力や冬木の芽 蒲谷トシ子
迷ひ猫のちらしが二枚十二月 坂本 満子
冬浪の堤防越ゆる日本海 志鎌恵美子

霧野萬地郎撮影:ミャンマー・マンダレーヒルからの夕日
波集より13句
赤とんぼ村にひとりの小学生 佐々木照子
話聞くだけの労り石蕗の花 増田 浩子
亡夫偲び遺品整理す寒き夜 斎藤 華子
柚子風呂に日日の息災託しけり 大場きよし
風荒ぶ落葉宥むるやうに掃く 藤丸 美生
回覧板木犀の香も届けたり 片桐眞知子
毛糸玉で遊ぶ小猫も毛糸玉 山崎 美紀
贅沢は毎夜の柚子湯と早寝かな 石田 啓子
朱に染まる地蔵菩薩に初時雨 竹中 晃子
枯葉舞ふ村社の鈴の錆し音 大谷みどり
冬支度漬物小屋の塩談義 仁戸田和子
冬木立全てを知って静かなり 飯塚 一英
何一つなすこともせず年の暮 吉川 知子

「波」のホームページ・トップへ 前月へ 次の月へ