「波」誌2025年1月号の作品より


「喪正月」より          喪正月なれど朝の日を浴びて            山田 貴世
 
「年末年始」より         餓鬼の日がきのふのやうに米寿春         西室  登

「大旦」より            みみどり児のLINEに乗り来初写真          管山 宏子


潮集同人より8句

実柘榴やこの身絞らば何色ぞ           本郷 秀子

ミルキーや笑くぼが二つ七五三           中野 淑子

彼岸此岸と云ふは容易し枯芙蓉           石垣みち代

冬うらら母の遺愛の端切れ箱            伊藤美也子

秋の蝶別れの舞をそれとなく             阿部千穂子

冬はじめ降りみ降らずみクルーズ船        野口 尚子

感嘆符の多きメールや渓紅葉            澤村いづみ

朽ちてなほ慈愛の仏秋惜しむ             伊藤真理子



冨山ゆたか撮影 

灘集同人より12句

影取とふ地名はさびし暮の秋                今井美恵子

大谷の記事敷き眠るかじけ猫                蓬田 和子 

道草とは幼なの冒険ゐのこづち               星野 朋子

満月や蒙古攻め入る玄界灘                 酒向  昭

山の神にまずは一礼茸狩                   宮沢 久子

人家絶え芒芒の田舎道                    菅井 亮太
                    
夕厨何はさておき今年米                    星野カヅ子

日当たりが取柄の住まい花八手               長野 保代

畳屋の手鉤の踊る小春かな                  今野 勝正

水底に彩の襞あり照紅葉                   千乃 里子 

十月や藤と山茶花咲く今年                  岸    健

丁寧な二拝二拍手神の留守                 開米 遊子



  霧野萬地郎撮影:ミャンマー・バガンのシュエッズィーゴォン・バヤ(最も神聖な寺)


波集より13句

住みなれてふえし近道花八手              鈴木 絹子

古民家の囲炉裏の煙柿日和               芳賀よしみ

紅葉を抱えこみたる四度の滝              杉下 赫子

積ん読の変わらぬままに冬に入る            川島  隆

砂に寝て波音を聴く小春かな               坂本きみよ

初日の出辞令ひとつで西東                清水  誠
  
猫と吾の会話なりたつ良夜かな               西 かな子

木犀の香で知る季節待ちかねて             石田 啓子
   
紅葉狩よわい九十いろは坂                三宅 善夫

蜘蛛の糸煌めく尾瀬や秋の朝               松岡美由紀

真っ白に大地を埋めて鶴の声              中出 隆義    

武士のごと長柄を構え柿を捥ぐ             渡辺 洋子
   
暮の秋猫の軽さを哀しめり                菅谷  睦
 






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