「波」誌2024年11月号の作品より
「紫苑晴」より 見慣れたる背山前山紫苑晴 山田 貴世
「初秋点描」より 爽やかよ五輪メダルを得し笑顔 西室 登
「雑念」より 災厄は全て人為よ地球涸る 管山 宏子
潮集同人より8句
蘆刈りの少年葦の舟を御し 霧野萬地郎
求愛も挽歌もあるやちちろ鳴く 吉村春風子
計らずも聖火と戦火原爆忌 中野 淑子
かく降りし男梅雨とはむごきもの 田邉 幸子
向日葵の千の目玉に見つめらる 山下 遊児
里ひとつ蟬にあづけて過疎の村 鎌田紀三男
独唱はお任せあれと法師蟬 飯野 深草
茶箱ひとつ捨てて手始め更衣 野口 尚子

冨山ゆたか撮影
灘集同人より12句
終戦日サイレン沁みる甲子園 酒向 昭
青柿や人生八十未だ青春 木嶋 玲子
うぶすなの井戸の思ひ出西瓜割る 開米 遊子
ふるさとの井戸辺のたらひ夕焼空 亀倉美知子
言い過ぎて酸つぱさ増せり心太 筒井 洋子
老人を忘れてみたくアロハシャツ 板坂 歩牛
秋茄子嫁と頒ちて茶漬けかな 渡辺 初子
家族にも時差や冷素麺のびて 髙橋きよ子
計らずも旅の一夜の大文字 畠山 久江
きつちりと蝉は七日を鳴き尽し 小山 清光
月涼し大利根揺らしつつ渡舟 中嶋 敦
我にもう欲しきものなし秋うらら 長野 保代

霧野萬地郎撮影:ミャンマー・ヤンゴンの夕餉時
波集より12句
炎帝の欲しいままなる水の星 秦野 方利
山を抱く入道雲のちからこぶ 工藤加代子
厨房も夫の役割長十郎 三宅 善夫
子の御輿大人が担ぐ夏祭り 吉川 知子
ひとり寝の背ナに聞きをり遠花火 斎藤 華子
秋うらら長寿の国にいきてをり 大谷みどり
常しえの黄金の波秋盛る 上野 和行
余命なき友の便りや花ぎぼし 新関まつり花
ガラス戸の向こうの守宮の目と会いぬ 草野すみれ
人の手で守る棚田や青田波 松岡美由紀
木道に山に池塘に秋の声 片桐眞知子
逗子銀座粋なアロハでお買物 井上 尚子

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