「波」誌2024年10月号の作品より
「小鳥来る」より 虫時雨今宵はシューマンシューベルト 山田 貴世
「母のこと」より 母いちづ薔薇の真紅が好きと言ふ 西室 登
「十三夜」より 実柘榴や夜半に般若となる定め 管山 宏子
潮集同人より8句
囀りや三内丸山原風景 本郷 秀子
ハモニカに波の伴奏夕涼み 原口 海人
虻ホバリング等身大の影落し 石垣みち代
日のほてり残し日傘たたみけり 伊藤美也子
父の忌やカサブランカとバランタイン 阿部千穂子
サーファーの挑む北斎波がしら 石井 眞
人影のよぎる踊り場花火の夜 田中 順子
今年竹仲間の空へ滑り込む 山田せつ子

冨山ゆたか撮影
灘集同人より12句
万緑を取り込む百円望遠鏡 澤村いづみ
奪衣婆の手でも出そうな木下闇 今野 勝正
鷺草の置かるる出窓開けぬやう 小笠原 夏
冷蔵庫所在なき時ふと開く 星野 朋子
後手にグッドバイする桜桃忌 伊藤真理子
万緑や駐在所にも神社札 関 美晴
マイナスの潰れし螺子の溽暑かな 井上美沙子
半夏生古墳の主に思ひ馳す 君島 京子
夕さりの畦の灯涼し千枚田 中嶋 敦
迷うふことそれが青春虹立てり 筒井 洋子
咲き通す向日葵にある翳りかな 田原梨絵子
真夜覚めて天窓の空星涼し 志鎌恵美子

霧野萬地郎撮影:モンサンミッシェルにて
波集より12句
一対の蝶の揺蕩ふ桜桃忌 渡辺 洋子
青大将音なく森の動き出す 宮沢 久子
奥能登に田植え始まる千枚田 蓬田 和子
能登の地へ力与えよあえの風 清水 誠
雨あとや南瓜の花はほがらかに 高谷南海絵
平和なり花火の火煙爆破音 中出 隆義
墓守か青大将が昼寝せり 高橋 辰郎
博多山笠出会いの幸も旅の途次 外川 詔子
日除け褪せシャッター街の空き店舗 西 かな子
十薬を干して十年よく笑ふ 阿片美鶴穂
早苗田に白雲と鷺映りけり 藤丸 美生
夏の海日暮れて涼し島灯台 菅谷 睦


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