回春院の俳句(4月)
いっせいに花をつける寺領。生き物が動き出す。寺を散策する人も多い。
大覚池へは大島桜の姿を写し、谷戸は一気に色づく。
平成15年の台風で谷戸からの土砂が、大覚池へ流れ込み可なりの部分が埋まってしまった。この改修と幽谷環境の維持が、寺だけでなく行政を含めた命題だ。
幽谷や春やわらかに回り来る 竹の秋その一叢の揺れ激し
祖師の池こそは大島ざくらかな みちみちて花のひとひらまたひとひら
山吹を結界として風化墓 寄せ墓の浅きやぐらや濃山吹
禅堂や少し離れて花イチゴ 蛇穴を出る幽谷の寺領かな
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<霧野萬地郎 句>