6日目(27日)

 インレー湖は標高900mの高原にあり、南北18km、東西6kmと細長く、水深は2〜3mと浅い淡水湖。湖とその周辺にはインダー族が居住し、近隣の町や沿岸部に点在する村落、あるいは湖上で生活している。湖上では浅瀬に木と竹を組み合わせた高床式の水上家屋で生活を営み、住民のほとんどは仏教を信仰し、自給自足の生活をしている。宿泊した部屋もこのインダー族の伝統の建築スタイルを取り入れている。

           女性の手漕ぎフレー              宿前に集まったエンジン付き観光ボート

湖上の主な交通機関として、伝統的にフレーと呼ばれる小型のボートが利用されているが、ディーゼルエンジンを搭載した大型のボートも走っている。浮き島や水上に伸びる水草の間を通る必要があるため、フレーは舳先と船尾が反りあがった笹舟のような形をして、通学や買い物、家や集落の行き来といった日常生活の足として使われる。遠方に出かける時にはエンジン付きのボートも使われる。インダー族は片足で船尾に立ち、もう片方の足で櫂を操る独特のボートの漕ぎ方をある。

早朝の暗いうちからエンジン付きのボートが湖上を走り、その騒音で起こされた。少し明るくなったので、ベランダに出れば、朝日を受けて静かに湖上を滑る舟が目の前を行く。遠くにはエンジン付きのボートが飛沫と音をあげて飛んでいく。

朝食後、丸一日、ボートで巡るインレー湖観光に出発する。最初に朝が賑わうマーケットへ行く。マーケットはインレー湖周辺を5日ごとに場所を変えて巡回する。この日のインデイン村の市場へ向かう。

ボートを寄せて市場の船着場から上陸しする。市場には区画があって、店それぞれに売り物を展示している。主に食品が多いが、供花や仏具なども並ぶ。インレー湖の魚(鯉やタナゴなど)や青菜、それに豆腐の量り売りもある。食堂やバーもあり、玉突き場も備えている。民族衣装を目にすることが出来るので、観光客も多い。

市場の近くにインデイン寺院がある。寺院の前には屋根のついた長い参道があり道の両側には土産物屋がずらっと並んでいる。2年前にはこれらの土産物屋はなかったが外国人観光客の立ち入りが認められてから急に増えたという。その参道の入口近くに、仏塔遺跡が見える。仏陀の死後200年頃、聖骨を祀るために、この地に仏塔が建立されたといわれている。その数は1000以上と言われ、多くは14世紀から18世紀に建てられた。それらは、野ざらしで崩れかけている古い塔が多いが、今も寄進が続いているので、建てられたばかりのまっさらな金塔もある。

 
               インデイン僧院の修復を要する古い塔 寄進された新しい塔

ボートに戻り30分ほど走り、水上の村の工芸品店では、首に金属のコイルを巻いて長首美人のパダウン族が迎えてくれた。幼少時から徐々に真鍮コイルを増やしていく過程で、コイルの上圧が下顎を平板化させ、下圧が鎖骨を沈下させ、肩の位置が下がることで極端な撫で肩となり、真鍮リングを纏うことにより首長になるらしい。脚にも真鍮を巻いて彼女らの脚はとても細い。この伝統的な姿で機を織っていた。
 その他、煙草を作る工場や蓮の糸の織物工場などもボートを寄せて見学する。いずれも観光客相手の店だが、作る工程も見る事が出来て楽しい。


  
     首長族の仕事場           土産の日傘              葉巻作り

インレー湖の巨大な水上寺院、ファウンドーウー・パヤーを訪ねる。ホールの中央の祭壇にこの寺の本尊の5体が団子のように置かれている。もともと普通の仏像の形をしていたが、金箔を張り過ぎて丸くなってしまった。巨大なお堂内は金を張り巡らしており、荘厳な雰囲気を醸している。

次に湖上に立つ木造のガーペー僧院へ行く。1844年に建てられた本堂内にはシャン、チベット、パガンなどスタイルの異なる仏像が30体祀られている。堂の中では高僧の教えを熱心に聴いている信者のグループが印象的だ。

  
           ファウンドーウー・パヤー寺院 と 内部の金箔で丸くなってしまった仏像

インレー湖の浮き畑では野菜や果実が栽培されており、手作業によって整備されている。湖底に根を張ったホテイアオイなどの水草を土台として湖の泥を積み上げて浮き畑を形作り、流されないように竹竿で水底に固定している。浮き畑ではトマト、ナス、キュウリ、トウガラシなどの野菜が栽培され、ヒヤシンスなどの花も栽培されている。

 
             ガーペ僧院の説教                浮き畑と観光ボート

水上宿へ帰る途中で、インレー湖独特の伏せ網を使って魚を捕らえる漁法を見る事が出来た。そんな漁師が何人もあたかもポーズをとっている様な見事な被写体になってくれた。この漁法の他にも仕掛けた刺し網へ櫂で湖面を叩いて魚を追い込む漁法もある。それぞれに違う場所で漁をするらしい。

連泊のインレー湖の夕陽を見ながら、ミャンマービールとカレー風味の地元食を楽しむ。


伝統の伏せ網漁 と インレー湖の日の入



  

    朝霞のとけて湖面に伏せ網漁       広々と湖を彷徨う布袋草 


     浮き畑は竹串止めやトマト熟る        夏草や崩れパゴダに釈迦在す 


   春愁や首長族の輪の重さ            蓮糸や杼(ひ)の飛ぶ機(はた)の三拍子


     伏せ網の漁師の立ち居涼しかり       魚追うや櫂夕焼けの湖面打つ



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