4日目(108日)

ホテルのプール越しに、スリランカ観光の目玉、シギリアロックが美しい。その登頂は明日の予定で、今日はダンブッラ仏教石窟寺院へ向かう。坂道を10分ほど登った巨大な岩山に第一から第五までの石窟に見事な壁画と仏像が祀られている。ここに遺された碑文によれば、紀元前から18世紀に至るまで、歴代の君主たちがこの仏殿を経済的に援助している。白いファサードは1938年に建設された。寺院内の岩に描かれた壁画は何世代にもわたって数百人の画家が参加している。仏陀、菩薩、男女のヒンドゥー神、王、僧や仏陀の弟子の姿がフレスコ画で、その総面積は2300uもあり、アジアで最も広く、世界で最も古い。1991年、ユネスコの世界文化遺産に登録された。

ダンブッラの石窟は五つの寺院に分かれている。入口で靴を脱いで境内へ入る。

最古の第一窟「神々の王の寺」には壁と同じ自然石に彫られた大きな涅槃仏(約14m)が全身を黄金色に染められて横たわっている。しかしながら、その足裏は真っ赤で、これは紀元前5世紀に仏教と共に渡来した王の掌が真っ赤だった事に由来している。このため、スリランカでは涅槃仏陀の足裏は赤く染めるのが特徴としている。他に五体と壁画が、狭い窟一杯に祀られている。

2窟は「偉大な王の寺」で、最大の洞窟で幅52m、奥行25m、高さ約6mもあり、56体の仏像が安置されている。大きな空間を一面の壁画で埋め尽くされていて、そこには、スリランカの歴史も多く描かれている。窟の中央に岩の裂け目から湧水が落ちている。こには壺が置かれ、聖水として儀式に使われているそうだ。

3窟の「偉大な新しい寺」は18世紀後半に造られ、57体の仏像がある。

第4窟は「西洋の寺」で、かなり狭い。奥にとりわけ真新しい仏像がある。これはフランス人の観光客が仏像に乗って写真撮影をしたために、法力が失われたという事で、塗りなおしたとの事。ここだけでなく、スリランカでは仏像に背を向ける事を固く禁じている。そのため、仏像を背景にカメラ撮影が許されない。ガイドの話によれば、セキュリティーカメラがこの禁を破る輩を常に見張っているとの事。見つかると犯罪者として取り扱われるので要注意。第5窟は1915年に造られた。

靴預け巡礼となり熱砂踏む 
     

老樹とて若き枝ぶり青葉風
 

      古寺や屋根新しく灼け岩に

滴りや窟に溢れる仏たち             仏像へ背を向け撮るな道おしえ

          
    仏足の裏は真っ赤に昼寝めく      凹みなき枕寝釈迦の眼の涼し

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<正面の樹齢2000年の聖なる菩提樹へ向かう巡礼>

<紀元前3世紀に建てられたイスルムニア精舎>
               <王族の像と恋人の像>

次にイスルムニア精舎へ向かう。紀元前3世紀に建てられた僧院の一部が残され、修復後に寺院となったもので、本堂は比較的新しい。本堂に祀られた涅槃仏は、浅草寺の援助で色の塗り替えを行ったという。この寺院で発掘物を保管展示する宝物館ではスリランカの歴史的至宝「恋人の像」「王族の像」の浮かし彫り展示されている。「恋人の像」は5世紀の作品とされ、これには紀元前2世紀のカーストを越えた王子の恋物語とされている。一方、「王族の像」も5〜8世紀の作品で幸せな王族を表すもカーストの低い王子の妻は右端に小さく置かれている。

 宝物館を見学して寺院裏側の岩山へ上る。頂上からは緑の平原が広がり、その中に寺院などが望見できた。他のツアー仲間は暑さで登ることは諦め、木陰で休んでいた。

ダンブッラ観光を終えて、スリランカ最古の都、アヌラーダプラを訪ねる。ここは2500年前に築かれ、紀元前3世紀に仏教がインドから伝わってからは仏教都市として発展し、ここを基点として、スリランカ全土はもとより、タイ、ミャンマーへと仏陀の教えが伝播した。この流れは上座部仏教、南伝仏教、あるいは小乗仏教と言われている。自らの修行で悟りを得る考えで、日本や中国へ伝わった大乗仏教(修行者が仏の教え説く)とは異なると言われる。

この地に栄えた王朝は高度な文明を持っていた。いまなお使われている灌漑施設や上下水道もその当時に造られたと云う。しかし、南インドからの侵入者との抗争の繰り返しの末、約1400年で南のボロンナルワへ遷都を余儀なくされた。今でもスリランカは民族間の問題が残っているが、その抗争の始まりともいえる歴史を持った町なのだ。

アヌラーダプラでは先ず「聖なる木」と呼ばれるスリ・マハ菩提樹へ詣でる。釈迦がその下で悟りを開いて仏陀となった菩提樹の分木がインドから運ばれここに植えられた。樹齢2000年以上の生きている聖遺物であり、世界中から多くの巡礼者を集めている。
 我々も一緒に靴を脱ぎ灼けた道を歩けば、六色仏旗に囲まれ、金色の柱に枝を支えられたスリ・マハ菩提樹に近づく。樹齢2000年にしては意外に細い木だ。白い衣装の多くの巡礼は少しでもその場に居ようとしたいのか、座って一心に手を合わす姿には心打たれるものがある。アヌラーダプラには八大巡礼地があるが、この菩提樹が一番人気だそうだ。日本の七福神巡りに似ている。

<菩提樹へ祈る巡礼→>

<ダンブッラの石窟寺院の外観(上)>

<赤い涅槃の仏足(第一窟)と第二窟内>