サンダカンのホテルから目的地のスカウ・リゾートへ向うが、その途中でセピロクのオランウータン・リハビリテーション・センターに立ち寄る。
母親を亡くした、或は、人間のペットになっていたオランウータンの孤児たちが森で自立出来るようにトレーニングする施設で、広大な原生林の保護区にある。
以前にここで仕事をしていたY博士の知友も多い。最初に20分程のビデオで、収容されているオランウータンの状況などが解説される。
次いで、入場者はアイアン・ウッドと呼ばれる硬質の木道を歩いて密林の保護区へはいる。この硬質な木は無垢で使っても木道として百年は持つらしい。日が高くなって、この熱帯雨林の暑さは30度を越えてくる。樹間を五分程歩くと自然木の足場や渡りロープを配したオランウータンの餌場がある。

丁度10時が食事時間で、飼育係二人でバナナなどの果物とミルクを持って、この足場に現れる。すると、何匹もの子どものオランウータンがロープを伝わって現れてきた。

博士によれば、「野性オランウータンは母子で行動するので、このような集団は野生ではあり得ない。その為に、この集団に慣れた子どもが野性に還ることへの障壁にもなっている。」との事。

オランウータンの食べ残しをブタオ猿が餌場を襲い、最後にカニクイ猿がきれいに仕上げる。

木道脇には、珍しい植物や昆虫も見える。昔はジャングルを成したフタバガキの樹林が、戦後の日本へラワン材として大量に輸出され、今は残り少ない。
当時、木材には不適として伐採を免れた高木だけが所々に残っている。

給食へ森の孤児らが茂みより

街路樹は百日紅ですサルの国


バナナ喰うサル科の序列ヒトの前

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<セピロクのオランウータン・リハビリテーション・センターの入口>

<オランウータンが去り、餌場を仕切るブタ尾サルのボス>

<施設内のオランウータンの孤児たち>