<サファリ!水の豊かなセルー自然動物保護区(2泊)>
80分のフライトの眼下には、乾いた赤土から湖沼や緑が目に入ってくる。
九州ほどの面積を有するセルーはルフィジ流域に広がり、狩猟保護区とフォト保護区に二分されている。狩猟の出来る保護区は今年一杯で無くなるが、因みに、狩猟免許の登録代は3万ドルとか、、。
また、セルー保護区は3〜6月の雨季にはルフィジ川の水位が上がり閉鎖される。ここは世界自然遺産に登録されている。

飛行場から宿泊のLake Manzeキャンプまで90分も掛かるが、途中に様々な動物が現れる。直ぐにキリンと象の群が悠々と藪の中を歩いているのを発見する。何れも子連れの群だ。
ところで、乾季から小雨季へ移る9〜10月は動物たちの出産が多い。妊娠期間が異なるのに、この時期はベビー・ラッシュになるらしい。群をなす動物はみな赤ん坊を連れている。
インパラやキリンなどの草食動物は生まれて15分で歩き始めるらしい。
施設は開業3ヶ月目の新しいテントで、パームツリーの樹林の中にある。出入口も窓もネットで防虫している。マラリアを心配して持参した電池式蚊取り線香をONするが、幸いにも蚊は余り居ない。
マンゼ湖の水辺は近くなのだが、マサイのエスコート無しで、道を外さないことと注意をされる。確かに象が頻繁に現われたし、蛇や鰐も出没するらしい。個々の宿泊テントにトイレとシャワーは付属してあるが、電気は無い。トイレの屋根は半分しかないので見事な夜空を見ることが出来る。灯りはローソク2本と灯油ランプ、それに懐中電灯だけ。中央のテントは時間制限の自家発電で、電池などの充電はその時間内に行う。ルアハより更に野生に近づいた雰囲気がする。
イタリアの観光開発会社の経営でマネージャーは新米のイタリア人とサポートのチェコ人などが取り仕切っている。イタリア語を話すYさんへは彼等から話掛けて来る。

夕食は客全員が一緒に屋外に準備された長いテーブルに着く。
私の前には英国人夫婦、隣はベルギーからの6人のグループで和気藹々で、黒檀の皿に載せたイタリア風の料理を取り分けて食べる。
食事の後で、突然にEさんの挨拶があって、続いて詩吟「箱根路を」を朗々と吟じた。その意味をYさんが英訳して、大いにみんなの喝采を浴びる。Eさんは詩吟の昇段を目指して、サファリ中に象やキリンに聞かせながらの練習してきた、その延長線なのだ。
その後に5人の若いマサイが踊りを演じた。身体を震わせ、声を絞って、高く跳ぶ、すばらしい体力なのだと感心する。客がキャンプ間を移動する時にエスコートしてくれるマサイの特別なパーフォーマンスになっている。翌日は無かった。
夜中、テントの横を河馬が歩く。夜明けには小鳥の囀りの中で濁声の河馬が吼える。テントからの出口には象の糞が積もっていた。

翌朝は先ずボート・サファリを選ぶ。6人が小さな舟に乗って、湖を2時間ほど遊覧する。小さなエンジンで船頭ひとり。昔より水位が上がって多くの木々が湖の中で枯れて、それが、オブジェのように見える。伐って飾りや家具としてヨーロッパへ運ぶ過去もあったらしいが、今は禁止されている。
水辺には動物が憩い、気配を感じて鰐が岸から水へ逃げる。湖の中には河馬の群が目を向けて警戒している。ボートの真下から河馬の呼吸する泡がぶくぶくと浮いてくる。上を横切っているのだ。


ボート・サファリでは河馬や鰐だけでなく、多くの鳥が観察できる。ペリカン、平嘴コウノトリ、鴫や鷺、それに、多くの小鳥が中州の木々に巣を掛けて賑やか。色彩も豊かな鳥達だった。
ボート・サファリ、車のサファリ以外に歩くサファリもある。銃を持ったレンジャーと一緒に歩き、身近な小動物や植物を楽しむことが出来る。楽しみにしていたが、数日前にバッファローに襲われる人身事故があったとかを耳にして止めた。


天高し跳ねるマサイの脚飾り
河馬浮くを待つ六分間木の実落つ
サバンナの夜明けや詩吟と仏法僧
萍や睨めっこする河馬と鰐
鼻吹いて河馬は湖底へ朝の月
<セスナ機よりのセルーの景観>
<セルーの宿泊用テント>
<←エスコート・マサイ>
<マンゼ湖のボートから:コウノトリとアフリカレンカク鳥と死木>