<サファリ!乾季のルアハ国立公園(3泊)>

翌29日朝から5泊のサファリへ出発する。南部タンザニアに開発されているルアハ国立公園のロッジとセルー自然保護区を選んだ。何れも多くの観光客を受け入れるには不十分な施設で、それは逆に野性動物が期待できる地域で、30余年前には未開発で一般人は踏み入ることは出来なかった。

ダルエス国内空港へ向かう。当時はここがメインの国際空港だったが、今は国内線に使われている。
10人乗りの単発セスナ機でルアハへ1時間遅れて出発する。途中、ミクミに寄って、ルアハまで2時間半を、操縦席のすぐ後の席に着く。
3000mの高度を揺れも少なく、若いパイロットの巧みな操縦を斜め後から見ていた。窓の下には乾季の赤い大地が見え、山火事がたまに見える。ほとんど村や家は見えない。

天高し象の糞おく滑走路

ルアハ空港と言っても髭剃り跡の様な赤土の滑走路が一本あるだけ。近くに、象の家族が見え、動物の色濃さを感じる。滑走路脇に四輪駆動車が待っていてくれ、飛行機からスムースに乗り継いだ。この時の出迎えのドライバーとガイドが3日間に亘って一緒だった。

飛行場からロッジまでは約40分の道のりで、出発と同時にガイドは近くに見える象やシマウマなどを指で差し、直ちにサファリの体勢となる。最初はどんな動物にでも車を止めてカメラを向けたりするので、時間は掛かる。親切なガイドはその動物を撮るまでアングルを考えてゆっくり待ってくれる。

3時前に到着して、荷物をロッジに入れ少しのティータイムを楽しみ、4時からのゲームに行く。岐阜県サイズの国立公園の一部を2時間ほど掛けて案内してくれる。動物が居そうな場所へは、ガラス窓など無い車で道を外して藪の中へ押し込んでくれる。
兎に角、案内人は目が効く。初日はどんな動物でも嬉しい。象やキリンは簡単に見つけられるが、ジャッカルやホロホロ鳥なども多い。他の地域では珍しいレッサー・クドゥ(カモシカの一種)も見られる。

ルアハはタンザニアでバオバブの樹が最も多い地域だ。みな樹齢千年以上らしい。そのずんぐりとした形が天と地の間に奇妙な異次元の世界を醸しだしている。花や実の付いているバウバブもある。

ロッジは川の横にあって、目の前を様々な動物が水を求めてやってくる。食事の場所は個々の宿泊ロッジから離れていて、日没後は槍を持ったマサイがエスコートしてくれる。客数は20人位で、我々以外はヨーロッパからの観光客。宿泊施設のサイズからパックツアーの団体客はいない。

南アからの白人の若い管理者がテキパキと客に応対し、サファリ巡りや食事など客が楽しめるように説明してくれる。到着日には、我々6人でキャンプファイアーを囲むように座らせて、写真を撮ったり、降るような星を説明したりしてくれた。

宿泊する個々のロッジは石造りだが、ネットだけで窓ガラスは付いていない。自家発電のために電気の供給は夜7時から10時までで、その間しかシャワーから温水がでないことにもなる。懐中電灯は備えている。灯油ランプが各ロッジの入口に置かれる。

ジャッカルの藪へ小走る地の旱

十月の色濃き耳や雌のクドゥ

草の実やほろほろ鳥の飛行距離

天に根を張るかバオバブ秋落暉

バオバブの実や千年の折り返し

象の牙研ぐバオバブの涼しげに

バオバブの樹々の支える空高し


<ほろほろ鳥>

<ジャッカル>

<珍獣レッサー・クドゥ>

HOMEへ

「その後のサファリ」のTOPへ

back

next

<着陸態勢のセスナ機より見るルアハの滑走路>

<ルアハ:宿泊したロッジ,手前に象の糞がある>

仏法僧鳴いてサバンナ夜が明ける