翌朝7月30日、お礼を述べて次なる地へ向って出発する。同じ日にBさん夫妻はスペインへヴァケーションの旅行へ出るとか、その直前までお世話になった。

我々は、昼にグルノーブルまで来て、町を一望できるバスティーユ城砦へロープウェイで登る。Iさんが40年近く前に生活した所ある。町を指し示しながら、当時の話と併せて、いろいろとこの地の興味ある話を聞かせてもらう。城砦からの景色は、アルプスの入口と云われるだけあって、山とイーゼル河と沈んだ赤の煉瓦屋根の調和が取れて美しい。他にも見所はあるのだが、眺望の後は、路面電車のある町を少し歩いて、先へ車を走らせた。

城砦よりグルノーブルを望む

これから先はナポレオン街道である。エルバ島から脱出してパリへ北上した道を逆に下った。峠や曲がりくねった道が続く。その標識は鷲のマークで、時折り道端に見られる。
山間に野菜やラベンダーの畑が見える風景が続く。途中、昼食は小さな町のレストランで楽しむ。そして、Iさんのナポレオンへの薀蓄を聞きながら、コート・ダジュール地方の山側に位置するグラースの宿へ到着。
ここは香水を調合する人の多くを輩出している町である。カジノも公認されていた。夜も遅かったが、少し歩いて地下のレストランで食事をする。

ナポレオン街道で見た教会

7月31日、モナコ、ニースそしてカンヌへと続く。行きは山側を帰りは海側を走る。そうすれば、ヴァカンス時の交通渋滞を避けることが出来るとのIさんの考え。そして、全くそうであった。

山側の道からは高い丘に要塞を築いた村や教会が見える。エズはそんな村で、鷲の巣とも呼ばれている。どんな手段で建てたのか、そこまでさせる敵襲(サラセン)の怖さとはいかばかりかと思いを馳せる。

エズと呼ばれる要塞村

切り岸に教会建てり晩夏光

香水の町をも駈けしナポレオン


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