その後、トロワを発って、車で南下する。

ディジョン、リヨンを過ぎて、高速道路を外れ、一般道に入り、Iさんの友人Bさん宅へ向う。Bさんはフランス人の柔道家で、町に「若い羊飼ベルジュレ」と云う道場を持っている親日家。Iさんとは長い家族付き合いとの事である。

今回は我々の家族も含めて6名も彼の家に泊めてもらった。ここで二泊する。大きな敷地に170年前に建てられた3階建ての家である。大きくなって親元を離れたBさんの子供の部屋を我々に当ててくれ、更に足りない分はキャンピングカーまで庭に用意して迎えてくれた。以前、この市の市長をされていたご両親が隣の敷地に住んでおられる。

町の名前は「La Cote St. Andre」。作曲家ベルリオーズの住んだ場所で、その家は彼のための博物館として、今は大切に保存されている。

夕方に到着して、Bさん宅に旅衣を解く。Bさんは日本にも数度の旅行もされていて、日本通である。大きな庭の一隅には盆栽があり、別のところには竜安寺を真似た小庭まで作ってあった。その日はBさん宅での夕食。自ら選んだワインやチーズと奥さんの料理である。味付けに深みがあってこだわりの家庭料理を楽しんだ。

翌日はBさんご夫妻が、先ず町の中を案内してくれた。朝のマーケットでは豊かな農産物が並んでいた。兎の肉が皮を剥がされた丸ごと売られていた。鶏の頭付きの売り方も我々と違う。既述のベルリオーズの博物館、Bさんの父上が勤めておられた市庁舎も見学。花が庭に家壁に美しい。塀の石壁に特徴があるとの事、丸い石を漆喰に組み込んでデザインされている。調達可能な建材でそんな塀が発達したらしい。

Bさん宅

市庁の中庭

その後、Bさんの車で近くをドライブ。静かな南フランスの緑豊かな丘を走り、車をとめた所で、草上のピクニックである。池畔の緑陰に座ってバスケットからはチーズやハムやパンが用意されていて、正にマネの「草上のピクニック」である。
昨晩、Bさんからめいめいにナイフを渡されていて、それを使ってそれらを食する。フランスの贅沢な時の過ごし方を経験させてもらった。他の人は見えず、鳥が鳴き、魚が跳ねって静かな場所である。睡蓮が咲き、同時に蒲の穂があった。

ピクニックの環境


草上の昼食されど裸女はなし

その後のサファリのTOPへ
back
next