

列車の終点マチュピチュ駅はウルバンバ川沿いでクスコより1500mも低いために、クスコで感じた高地による気分の悪さは治った。駅からはマチュピチュ観光専用バスで400m程をジグザグと山を登ってゆく。マチュピチュ遺跡の入口でバスを降り、チケットを購入し、そこから、歩いて、空中都市マチュピチュへ入る。先ずは全貌を一望できる墓地址へ登る。眼下に写真などで見慣れた遺構が山に囲まれた山の上に段々畑のような石垣で積み上がっている。これを見るためにやってきたので、ここで天気が晴れたことが嬉しい。
そこでしばらくの間、クスコから一緒の薀蓄ガイド・モレーラ氏(日本語巧みなペルー人)の話を聞く。この空中都市については、ここに住んだ人の数や職業と共に、さまざまな説があると云う。今でも新たな発掘があって、それらの説は更新されているらしい。「見た人がそれなりのロマンで想像を馳せたら良い」との話であった。

4日目−1
本旅で最も期待しているマチュピチュは15世紀頃のインカの遺跡だ。その存在は知られていなかったが、1911年にアメリカの探検家ハイラム・ビンガムはこの地域の古いインカ時代の道路網を探検していた時に、山の上に遺跡を発見した。遺跡に名前は決まっておらず、ビンガムが遺跡の名前を尋ねたところ、地元の住民は山の名前と間違えて、マチュピチュと答えたことで、それがそのまま遺跡名となって世界に広まったとされる。
ここにも文字を残さなかったインカの遺跡故に解明されていない多くの謎がある。1983年、クスコと同時に世界遺産に登録され、更に、2007年には新・世界七不思議の一つに選ばれた。
クスコから早朝のペルー鉄道で、マチュピチュへ行く。標高3400mのクスコを出てすぐに、スイッチバックを繰り返しながら、一時山を登り、その後はゆっくり下げながら4時間近くかけて高度2800mのマチュピチュへ向う。生憎の雨模様が心配だ。観光専用列車で、車窓からは、赤土の高地畑や段々畑、そして牧場等を過ぎれば、人家のなくなり、雪解け水で激流となっているアマゾンの支流、ウルバンバ川に沿って渓谷の中の上流へ入る。列車の天井の窓からは林立する険しいアンデスの山々が覆いかぶさるように流れてゆくのが見える様になっている。
途中、2〜3の駅に停車して、インカの道をトレッキングしている数名の客の乗降がある。地元の花やアルパカの毛織物など民芸品を担いで売りに来る子供も大人も列車に合わせて忙しい。
もろこしの茎は黒々雨畑
登山列車ファッションショウもありにけり
天井の車窓に青嶺マチュピチュへ
渓狭し天窓車輌滝飛沫
アマゾンの支流や夏は泥暴れ
停車駅に集まる子供の花売り
車窓からの典型的な農村風景
マチュピチュの入口から400m下のウルバンバ川