樺太・千島列島・カムチャッカの船旅
<はじめに>
「富士山と同じ様な山がいくつも見える」との友人の話から、期待を込めて、千島列島の旅をさがしたところ、たまたま新聞広告で、島々を廻りながらカムチャッカまでのクルーズを見つけ、10日間の旅をした。
ところが、晴れの日が全く無く、視界の効かない、山の見えない想定外の旅に終わった。
夕食後はホールでジャズコンサートを楽しみ、甲板にも出て夜風で涼む。サハリンへ向かう夜空には雲間に星も良く見えた。寝る目に1時間の時差調整で時計を早める。
Kさんのお話から、渡された狩猟に関する資料に、たまたま、お名前が載っていた知り得たのだ。
(実は、この方以外には他の乗客の名前は知らない。個人情報などでクルーズに限らず、初対面の旅の仲間とは余り情報の交換はしない。旅は一期一会の様だ)
ウェイターや客室清掃業務は日本語堪能なフィリピン人が殆どで、「おもてなし」の心が溢れる接客だ。最初の夕食に案内されたテーブルには、この船で何回もクルーズを楽しんでいるKご夫妻の席に案内された。
夕食は概ね18時半から、7階のメインダイニングで摂れる。食事内容は和食も洋食もフルコースで、これがクルーズの魅力の一つの様だ。ダイニングの入口で迎えられ、個々のテーブルへウェイターが案内してくれる。概ね6人が座れ、一度に300人程の客が同時に摂れる。メニューは決まっている。
今回の乗客数は250人程で、一斉に食事を摂る事が出来た。そして、乗務員は220人程勤務しているので、マンツーマンに近いサービスだ。因みに、この船の最大旅客数は620名で、乗客数が多い時はシフトで摂る。
我々の様なビギナーの参加者の為に船内見学ツアーがあり、ジムやプール、シアターなどの娯楽施設を中心に巡った。
羽田から千歳経由で小樽港に入り、14時に乗船する。船は「ぱしふっくびいなす」と云う日本船。
乗船早々の15時半からは全乗客を対象に避難訓練があった。船内放送と乗務員の指示に従って、キャビン内の救命具を身に付け、救命ボートデッキに集合する。15分程の訓練だったが、これは法令によるのだろう。訓練の後は救命具を外し、銅鑼を鳴らしての出港は午後の16時となる。
(ぱしふっくびいなす号:カタログより)
初めての複数泊のクルーズで、訪問地の歴史やクルーズ船内の楽しみもあったけれど、矢張り、天候には勝てず残念な旅だった。
(小樽港の出港風景)
(クルーズの航路と国境の変遷)
初日(6月20日)
(小樽は晴れていた)
小樽への道アカシアの花盛り
出港の祭太鼓やテープ舞う
サハリンへ航くや夏天の北極星
25000トンクラスの大型客船の出港なのか、桟橋には半被姿の祭衣装で太鼓を叩いて賑やかに見送ってくれた。8階の甲板からは色とりどりのテープを投げての徐々に岸を離れた。乗船客にはシャンパンなどが振る舞われ、華やかな出港だ。