第9・10日目:1月30・31日(金・土)

最終日の観光は更に古いピラミッドの世界。

 最初に「屈折ピラミッド」を訪ねた。高さ105mの真中の地点で角度が変わっているので、この名前がある。下部は52度、上部は4322分と傾斜が緩くなっている。当初は見事な四角錐を目指したが、急勾配すぎて途中で積み上げる石の重量を支え切れなくなったと推測されている。

「メレルカのマスタバ」内部の等身大の像

 ドーハを経由して成田に無事に戻ったが、その翌日に、カイロ空港で爆発物が発見されたとの報道を帰国後に知った。

「メレルカのマスタバ」内部の河馬猟のレリーフ

これにて観光を終了し、昼食へ向かう。名物の鳩料理(焼き肉)を賞味して、カイロ空港へ。セキュリーティの厳しい空港では一緒だったガイドのモハメド氏も建物内には入れない。

 次に近くの「赤のピラミッド」へ向かう。赤っぽい石で造られているのでこの名前があるが、高さ104mで断面が二等辺三角形の四角錐ピラミッドとしては最古のものだ。
 ここでは狭い通路を下って二つの前室を過ぎて玄室まで下った。屈んだ姿勢でもぐるので、戻った数日後まで膝周辺の筋肉が痛んだ。それと、この内部は可なり臭い。因みに「屈折ピラミッド」も「赤のピラミッド」もクフ王の父であるスネフェル王(没BC2589年)が建設した。

屈折ピラミッド

この修復された墓へ入る現地の修学旅行の生徒達が列を作って我々が出て来るのを待っていた。みんな笑顔で観光客へのホスピタリティが感じられる。

赤のピラミッド

横向きのレリーフばかり黄砂降る    列長し遠足の子ら玄室へ 



旅なべて銃で守られアラブ春     一月のピラミッド美し富士も美し

名物の鳩料理レストランでパンを焼く女

「メレルカのマスタバ」へ入る遠足子ら

最後に訪問した遺跡は古王国の第6王朝を興したテティ王(没BC2333年頃)の宰相メレルカの家族の墓で「メレルカのマスタバ」と称される。中に入るとメレルカの等身大の像が置かれ、内面の壁にはびっしりとレリーフがある。中には4000年以上前のナイルの漁業や河馬との戦いなどが生き生きと描かれている。ここは2013年に修復されて公開された。

 次はサッカラの「階段ピラミッド」へ向かう。ここはピラミッドだけでなく祭殿や葬祭殿などの遺跡と共にあるピラミッド複合遺跡となっている。いままで見学したどの遺跡より古く、第3王朝のジョゼル(没BC2649年)の建造とされている。
 
40年前にこの遺跡を訪ねた時には複合体ではなく、階段ピラミッドだけが建っていた。ピラミッドの修復だけでなく、発掘も続いているのだろう。

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王の夢おぼろ屈折ピラミッド 



玄室へ屈む急坂春の闇 



旱天へ崩れ階段ピラミッド

階段ピラミッド