104日(3日目)

 この金鉱の町、キロメトロ85での景。ガソリンスタンドに並ぶ米国製ポンコツ車の列の脇を通る。産油国のベネズエラのガソリンは世界一安い為に、燃費の悪い古いアメ車が多い。また、この大きな燃料タンクを満タンにして、近隣のブラジルへも売るそうだ。私がかつて乗っていたシボレーのインパラもその列の中にかなり見られた。(為替の動きで変動するが、ガソリンは1リットル2円程らしい)

<シモン家の全員集合とスマホのデジカメで遊ぶ子>

<ラス・マラカスロッジでの出発準備>

 船着場で簡単な昼食を摂り、この村の小さなカトリック教会へ向かう。ここでサプライズがあった。添乗員のNさんが教会内の中央に座らされ、女性の祭司が何やら祈りをする。我々は信者たちが座る席でこれを見守るのだ。祈祷らしきものが終り、ウヴェの説明があった。Nさんは以前に添乗員としてこの村を訪問した時に、衣類を寄付したらしい。それに加えて、それまで村人たちは観光客が来れば物乞いをしていたが、Nさんとウヴェがそんな物乞いを止め、手芸品などを作っての商いを薦めた。そんな事へのお礼らしい。祈祷(祝福)の後で、村人たちの手芸品が並べられた。我々もそれぞれにお土産的な幾つかを買った。いささか押しつけがましい感じもするが、悪い話では無い。

<デイビットとガラガラ蛇>

 舗装のハイウェイ10号線を使ってテーブルマウンテン(テプイ)の麓に広がる標高1400m程のグランサバナに入る。ギアナ高地のサバンナはアフリカと違って大型動物こそ見えないが、巨大なテプイの点在する広大な草原だ。

 ロッジには電話は無いので、早朝5時に添乗員がドアをノックして皆をウェークアップコールする。外では朝霧の立ち込める中、既に3人のガイド達が車の整備やスーツケースの車上積みを手際よく開始する。朝食も昨晩の夕食と同じシモン家の食堂で摂る。チキンスープとコーンパンのアレッパなどの地元食だが、美味しい。スモン家の珍しい花や小さな養殖池を見たり、また、ご家族と一緒に写真を撮らせてもらったり、楽しい朝の時間を過ごした。シモン家は原住民インディオの純血に近い様だ。食堂には子供達の学位証明書などが誇らしく額入れて飾られていた。チャベス大統領の顔の大きな看板が近くにあったが、彼の僻地教育の強化があったのだろうか、結構な事だ。

 チナクの滝は高さは107mながら、グランサバナで随一の水量を誇る滝で、滝壺近くでの飛沫は半端ではない。同じ高さのビクトリアの滝に比べては遜色もあるが、雄大であることには違いない。

<トイレ休憩した民家>

<ガソリンを待つポンコツ車>

 チバトンの宿泊ロッジ近くでガラガラ蛇に遭遇した。車から降りて、それぞれにカメラを向けた。デイビッドが逃げる蛇を鉄棒で引き摺り出しては撮り易くしてくれた。村人は危険なので、即、叩き殺すらしいが、ここでは解放された。

 たくさんの花が咲くチバトン・ロッジ、夜には天の川が中天を覆っていた。ここの自家発電は10時前に切れるが、その前に寝つき、疲れたこの晩もよく眠れた。

蘭白し草原ロッジのマリア像

宿明り消えて溶けだす天の川

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<チバドン・ロッジのマリア像>

<夕食:焼きバナナとサフランライスと牛角煮>

穴惑うガラガラ蛇の最終章

<村の教会>

 暫くして15分ほどボートに乗り、下船して滝壺へ歩く。その途中、食用になる赤蟻の塚を見つけた。試しに口にしたら、薄っすらとミントの味がした。

<高さ105mのチナクの滝>

水煙へ落ち水煙を生む瀑布

なに叫ぶとどろとどろの滝壺へ

 先ずはチナクの滝へ向かう。車は赤土の地道に入り、途中のトイレ休憩所では自家製の蟻の唐揚げや辛味ソースを味わった。
「ここはインディオの数家族が住むのみだが、彼らは今、観光客が多くなったときの基礎作り中なのだ」とウヴェの話。

<グラン・サバナの入り内>