10月5日(4日目)

クケナン                 ロマイナ

 チバトンのロッジを出て地道から再び舗装のハイウェイ10号線を走る。遠くにテプイ(台地)が広大な草原にみえはじめる。途中でガス欠近い2号車が燃料タンクの底のゴミなどがフィルターに付着したとかで、何度か路肩に止まる。やっとの事でサバンナにある給油スタンドへ到着して事なきを得たが、不良ガスと準備不足による際どい状況だった。

 そこから再び10号線に戻りやがて展望台「テプイの谷」へ入る。ここからはカメラには納まらない程、テプイが広々と望む事ができる。左のタラメンから右端のクケナン・テプイまで6つのテプイ(台地)が大草原に横たわり、息をのむ。天気も上々で素晴しい景観だ。(クケナンの裏はロマイナが隠れる)

 ヘリの発着は宿泊ロッジの前の広場で、そこに俄かに到着したヘリに、5人毎に3班に分かれて乗り込み、順次クケナン・テプイ(標高2680m)へ飛ぶ。テプイの上の岩場にヘリが舞い下り、そこで20分ほど自由時間を作ってくれた。そこでは異次元の世界に入った様な手付かずの奇怪な岩と珍しい花を見た。今回のツアーのハイライトのひとつだ。ヘリからの景観も素晴しく、ギアナ高地の素晴しい魅力が凝縮されていた。3班とも遊覧飛行の間に天気の崩れは無く、皆が満足した。

大河なす双瀑音を重ね得て

<カマの滝と遠くのテプイ>

<テプイの谷から>

みはるかすテプイの谷や虹立てり

メモ : 
 約6億年前に誕生したゴンドワナ大陸(アフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア、マダガスカル島を含む)は、やがて、1.8億年前から次第に現大陸に分裂したが、ギアナ高原はその移動軸にあった為に、地震や火山などによる地質学的な変化を受けなかった。そのために、テプイには地球上で最古の岩盤がそのまま残っていると言われる。

<ヘリからのロマイナ・テプイ>

<タラメン  イル      カラウリン          ワダカ(竹の子)ユルアニ クケナン(裏にロマイナ)>

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<クケナン・テプイの上は奇岩と花々の世界>

<クケナン・テプイの断崖>

雲中を抜け爽やかにヘリの窓

 満タンにした車でカマの滝へ行く。駐車したら、急に現れた二人の少年が滝壺まで細い道を案内してくれた。この滝は落差55mの二条の美しい滝。しばしの時間を滝壺で涼んだ。

 昼食はこの辺りでは中心の村、サンフランシスコで済まし、この日の宿になるパライテプイ・ロッジへ急遽、向うことになった。上天気なので、翌日予定のヘリコプター遊覧をこの日に変更したらしい。

 パライテプイ・ロッジからの日暮のサバンナとテプイの展望も素晴しく、また、夕食後の夜空には、ここでも天の川をはっきりと見る事が出来た。
 このロッジは町営とか、民芸風な部屋毎の独立棟で、シャワーもあるが、ベッドには個々に蚊帳が吊られている。それでもかなり虫に喰われた。

卓袱台の影かさねつつ秋入日

テーブルの上は異界の花野かな

<身軽に川を走る少年>

<パライ・テプイのロッジ>