17世紀に造られたイエズス会の付属教会>

<歴代の総長肖像を巡らす「試験の間」>


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 大学を出て、上りとは別な坂道をゆっくりと下った。新旧のカテドラルを外から眺め、雨の中に濡れたままの洗濯物がそのままの下宿?などもあって、学生生活の一端も感じた。

 夕食は郷土料理の「ドン・ペトロ」を探して、ワインとスープと海鮮カタプラーナ(雑炊)で個人旅行の自由度を大いに満足した。

佩刀の初代学長大試験    薄暑光ぐるり天金金表紙    中世に脳外科もあり花薊


   ゆっくりと行くユリの木の花あれば    吊るされしままの白シャツ緑雨かな

<中庭の向うにユリノキの花が雨に濡れていた>

<中庭に立つ創設者ジョアン三世>

<教会内のパイプオルガン>

 次にポルトガル王国の最初の首都であるコインブラへ一気に向かう。途中のドライブインで簡単な昼食を摂る。地元名物のムシ肉を丸パンで挟んだ中々の味だったが、名前は忘れた。コインブラのホテル・アストリアに着いて、ガイドとはここで別れた。

 コインブラの大学は1290年にリスボンで創設され、1308年にコインブラへ移転された。それ以降、コインブラは学問の都と称されている。ヨーロッパでも屈指の伝統を有する。
 ホテルのチェックインを済ませて、徒歩で大学の構内へ向かった。雨の中を距離的には近いが、かなり急な細い坂を上る。道を雨水が流れている。不完全な石畳で、凹みに嵌らないように慎重にのぼった。途中で、曲がりくねった道に迷いかけて、学生に尋ねたら、親切にも下って来た坂道を戻る様に案内しかかったが、地図と合わせて、自分たちで行けるからと丁寧に断った。

<大学のラテン回廊と時計台>

 入場券を買って、「鉄の門」を抜けると、創設者ジョアン三世の像が中央に立つ広いテラスの中庭に出る。建物に入り、先ずは図書館に案内される。
 1724年に建てられたジョアニア図書館。金泥細工の内装と金の背表紙が、眩いばかりだ。蔵書は30万冊にも及ぶという。
 隣の礼拝堂も素晴しい装飾で飾られている。身廊の中ほど左側の壁に吊るすように置かれたパイプオルガンがユニークな存在だ。
 次のラテン回廊には、学位の授与儀式などに使われた「帽子の間」、歴代学長の肖像画が並ぶ「試験の間」があり、かつての厳粛な大学の雰囲気を伝えている。ここではラテン語を話す事が義務付けられていた。
 テラスの中庭からの景色はきっと素晴しいとは思うが、雨でしっとりとした雰囲気を感じるだけだ。