ポルトガル<遠くても親しみのある国>

はじめに

1日目: 423日<成田→フランクフルト→ポルト>

 事前に解っていたと言え、フランクフルトでの乗継の待ち時間が5時間もあり、自宅からホテルまでの移動には26時間を要した。遠い国へ来たものだと、改めて思う。ホテルはインファンテ・デ・ザグレス、古風な宿だが、風格がある家具がロビーに置かれていた。

<↑サントス・パトス教会への道>


遠足の声のみ響く古城内        白壁に聖母涼しきアズレージョ   

紙魚痕の見えぬ戦勝タペストリー     中世の町やミニ薔薇飾る窓

<初代国王アルフォンソ一世の像とその居城からの展望:手前がサン・ミゲル教会とブラガンサ公爵館>

 1975年に、400年続いたポルトガルの植民地から独立間もないモザンビークを訪れた事がある。マプト市街(当時はロレンコマルケソ)にはタンザニアで訓練されたFRELIMO(解放戦線)の兵士がかなりみられた。仕事で話したポルトガルからの植民は平静を装っていたが、自身の今後の行末を決めかねていた。

 今回の旅で、そうした白人達はほとんどポルトガル本国へ帰還したと聞いた。19世紀にポルトガルと対等独立したブラジルは別として、ギニアビザウやアンゴラもそうかも知れない。

 前回のポルトガル訪問はタンザニア在住時代の1976年で、これは副作用の強いマラリア予防薬の服用しない期間を設け、非マラリア汚染地区で3週間ほど過ごせる制度を利用しての家族旅行だった。

 今回はウェブトラベルを通して、飛行機と宿、それに一泊二日の現地ツアーを予約してもらい、気楽な3人での自由な旅だった。

<←町の入口の城壁跡に「ここにポルトガル誕生す」と記される>

 最初に訪ねた15世紀に建てられたブラガンサ公爵館は39本の煙突が並び優美な館で、今は政府の公館として使われている。この日は現代アートの展示会が各部屋で行われていた。一渡り見てから、10世紀に建てられ、初代国王が生まれたと云われる城跡へ地元の小学生グループと一緒に向かう。城の塔からはギマランエスの街が一望できる。赤い煉瓦屋根と白壁が新緑の中に美しい小さな街だ。しばらく塔からの景色を楽しんで、次にガイドと共に、石畳みの坂を歩いて下り街の中央に向かった。アズレージョ(青いタイル絵)を嵌めこんだ壁や家並が中世そのままを残している。ここは歴史地区として世界遺産に登録されている。

2日目: 424日<ポルト→ギマランエス→ボン・ジェズス→ブラガ→ポルト>

 少し肌寒いポルトで、しかも天気が不安定のようだ。ホテル前は石の坂道で広い歩道になっている。巨木のプラタナスの若葉が美しい。この日の観光については、ウェブトラベルからは鉄道利用を勧められたが、安直なガイド付きハイヤーを宿のレセプションに依頼した。8時間で200ユーロは3人乗ればとても安い。黒いベンツでやって来たドライバーは気さくだった。

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<中世をそのまま残した様なサンティゴ広場>

 先ずは、60キロ程走って、ポルトガル発祥のギマランエスへ向かう。ポルトガルの建国は1143年で、これは日本では平安末期に当たり、紆余曲折があってもヨーロッパでは最も古い国なのだ。初代国王アルフォンソ1世はムーア人を破ってレコンキスタ(国土回復運動)の戦勲を立て、ローマ教皇の仲介で従兄弟の治めるカスティーリァから独立した。

ポルトガルの植民地戦争地>