挙式は朝10時から始まった。新郎新婦はその前にリムジンで写真スポットを廻り、記念写真をプロのカメラマンに撮ってもらった様だ。

 式場正面の大きな窓には明るい海と椰子が風に爽やかに揺れている。参列者はカジュアルなアロハシャツなどを着るハワイスタイル、それに、出席者は身近な親族が28人の気楽な雰囲気が良い。新郎新婦側に一人ずつの2歳の女児も参列し、和やかさが一層増す。

 バージンロード、誓詞、指輪の交換など、白人の牧師が丁寧に進行させる。ウェディング会社のスタッフやカメラマンも忙しい。讃美歌はムームーを着た歌手が歌った。

5日目 : 10月9日 (結婚式:モアナホテル)

 南国の花のフラワーシャワーで庭園に出る。海風が心地よく肌に触れる。二人の抱擁キスや、我々、両親へのレイのプレゼント、新郎新婦を中心にした参列者や家族との合同写真など手際よく進行されて行く。カメラマンからの指示で、アロハを表す二本指を立てたポーズもあって、笑いが絶えない。

 式後のパーティーはホテルの中に設えられた小綺麗な部屋で行われた。初めに酒席上の注意があった。酒が残っているグラスへお酌する事、酒が飲みきってない内に別の酒を注文する事などはパーティーと云えども禁じられているとか。そんな注意を聞いてから、シャンパンでの乾杯で宴が始まった。

 上質な料理が盛り付けも鮮やかに、大きなワン・テーブルでの歓談は皆の顔が見えて、これも結構。子供の頃から習った新婦のヴァイオリン独奏もあった。大いに愉快な時間を過ごして、お開きとなった。

 二次会はホテルのオープンテラスのテーブルを2〜3占拠し、参列のために遠路をやってきた親族達が集い、カクテルやトロピカル・ドリンクなどを飲みながらわいわいと話が弾む。丁度、夕日が沈む美しい海を見ながら緩やかな時間を至福の余韻に浸る。面白い話としては、NYから来てくれた姪は「格差反対デモ」など最近事情で、我々の住んでいた20年前とは隔世の感がある。

色鳥やひき裾長き新婦美し

新郎も白を装う素秋かな

幼子ら「アロハ」と指立て秋うらら

爽籟や新婦のヴェール揺れ続く

菩提樹を囲むテラスや月天心


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