1028日AM (ダージリン観光)

爽やかに赤い僧衣の喇叭かな

早朝のイガ・チョリン・ゴンパ


「その後のサファリ」のTOP       back             next          HOME

一斉に車が下山し渋滞したが、タイガーヒルから9キロ程戻ったイガ・チョリン・ゴンパに立ち寄る。
 1850
年の創建でダージリンでは最も見応えがある僧院だ。本尊は弥勒菩薩で、戒壇にはダライ・ラマ14世の写真が置かれている。屋根で二人の僧侶が喇叭を吹き始めた。数分だったが晴れ渡ったヒマラヤの空へ清々しい音色を響かせた。ここは撮影が許されている。いろいろと写真を撮らせてもらったので、喜捨の箱へ出る時に50ルピー札を入れてきた。この後、宿へ戻り、朝食を摂る。

露に滑りジープら競う闇の山

雪嶺のいま暁光を捉えたり

夜明けのターガー・ヒルにて、群衆、眠るダージリン、薄明りのカンチェンジュンガを正面に見る

早朝の4時、ターガー・ヒルへ出発する。ここで撮られた写真が、ヒマラヤの景観として、世界中に印象付けられた。日の出のヒマラヤを見るために、ダージリンの観光客は誰もがここを目ざす。

東の空から山際の空を燃やして日が登って来るのが見える。日輪が顔を出した一瞬には、期せずして、群衆の「ウォー」との叫びが上がった。闇空が白々とし、目の前のカンチェンジュンガの突端が金色に輝き日を捉えた。次々と西の山々へ光が移り、やがて、左の方にエベレストが山越しにはっきりと見えた。どの顔も満足した表情で、撮ったデジカメ写真を比べたりしている。明るくなって、集まった観光客へ絵葉書など土産売りも寄って来る。展望台にはゲストルームが上にあったらしいが、人が多い<山の展望のベストシーズン>では、広角に展望できる我々の場所がベストだったのだろう。

 町から13キロにある標高2590mの丘を目ざして真っ暗な山道を、クラクションを鳴らしながら観光客を満載したジープが抜きつ抜かれつ先を競う。頂上の駐車場が狭いので、遅れると停めた車から可なり歩く事になるのだ。我々の車も隙があればと抜きにかかる。そんな車のヘッドライトが激しく上下しながら交錯する。ガイドは「車が多い、次回からは3時出発だ」などと云う。それでも、5時前には、ドライバーの奮闘で何とか頂上近くまで車を寄せ、そこから100メートル程を歩いて展望台へ向かった。本当に我々の運転手のテクニックは上手だ。

 タイガーヒル頂上の展望台は暗くて状況が分からない。ガイドに従って指定されたバルコニーの角で日の出を待つ。今回の旅で最も厚着をしたが、寒風に凍える。下には大勢の観光客が詰まってくる。1000人程らしいが、暑いインドからの人が多いし、修学旅行の生徒たちも凍えながら夜明けを待つ。ガイドのKさんがチャイを買ってきてくれ、胃の腑と悴む手を温める。

西に小さくエベレストが見える(中央の雪嶺)