10月24日 (デリー→シッキムの州都・ガントク)

ホテルの庭を歩く孔雀

Firespike

露散らし孔雀の走る佳き日かな

ガンジスを茫々と見る秋飛行

 夕食はホテル内でシッキム料理を楽しむ。最初に地酒Tongbaが眼の前で造られた。竹筒の発酵した黍に熱湯を注いで5分程で竹筒の底に酒が出来る。それを竹ストロー吸うのだ。日本酒にもあるような味だった。シッキム製のビールも飲んでみたが、美味くない。

 シッキム料理はスープや野菜をメインに淡白で口に合う。菜食主義者が多のか、肉類は少ない。

 今回の宿は全て旅行社(西遊旅行)が選定したヘリテージホテルに予約されている。このNOR-KHILL HOTELも「シッキム王により1932年に迎賓館として建てられた由緒あるホテルで、山の展望や英国風のサービスなどガントク随一」だとカタログに書かれている。

 空港を出て30分ほど平地道路を走り、やがて山へ入る。紅茶畑と米作の棚田を抜ければ、曲がりくねった山道を登り続け、日暮れてシッキム州の入境検問所へ到着する。手渡す書類に間違いがあったが、ガイドK氏の手なれた手続きで10分程待っただけで許可を得た。
 シッキム州内の道路は更に悪路だ。多いに揺れながら、州都ガントクの宿、ノルキルへは無事8時前に着く事が出来た。ここの標高は1437m。

 到着時には真っ暗になってしまったが、ホテルは歓迎の白いスカーフを首に掛けてくれた。 

NOR-KHILL HOTELの重厚なロビー

 デリーを1015分発バンドグラ行きの国内線の機内に入る迄は順調だったが、突然、一家族の乗客が飛行機から降りた。そのために、チェックイン荷物の引き出しや、携帯荷物の置き忘れなどが無いか、治安関係者も機内に入って調査し一時間以上も遅れての出発になってしまった。何が理由か知らないが、大変な迷惑で、機内は一時騒然とした。

地酒Tongbaを造る給仕

 この飛行機は離陸後、ヒマラヤ山脈の南側を飛行して、西ベンガル州のバンドグラ空港へ1時間遅れのままに到着する。バンドグラ空港は軍専用だったが、今は民間機と兼用している。しかし、多くの軍用機が駐機しており、空港内は写真撮影は厳禁だ。

辺境の猿ら里へと冬近し

ゲストみな振る舞われたる新酒かな

花野きて軍用ヘリのホバリング

山道には猿が多い

 空港で、ダージリンの旅行社のガイドのK氏が出迎えてくれた。彼はネパール系で日本語も英語も堪能、しかも、旅を通じて分かったが、チベット仏教の造詣が深い。彼の案内で、空港内の食堂で遅れたインド風の昼食を摂る。食堂は混みあっている。インドの暑さもある。ここは海抜140mの低さなのだ。


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白いトヨタの箱型四輪駆動車のドライバーはBさん。彼もネパール系で、我々とそっくりな顔つきをしている。勝手な想像ではBさんはグルカ(ネパール山岳民族)系と思う。ともあれ、遅れているので、早々に車を走らす。

時差があるので、朝は早く目覚める。ホテルの庭には孔雀が庭や屋根に見える。また、芳香な白いプルメリアや赤い花(Firespike)が咲いて、インドらしい雰囲気が楽しい。孔雀はインドの国鳥だ。