5月22日PM
  
 昼食後、ブレッドから約100キロ南のポストイナ鍾乳洞へ行く。鍾乳洞では欧州最大の全長27キロの洞窟で、観光客は十連結程のトロッコに乗って2キロほど内部へ入る。かなりのスピードで曲がりくねった線路をゴトゴトと疾走し、なかなかにスリルがある。途中にライトアップの鍾乳が見えるが、首や手を出すと極めて危険だ。トロッコの到着駅から1.7キロは、英、仏、独、伊、スロヴェニア語と各言語別にグループを分け、それぞれが各ガイドに従って探検する。

雷のごとトロッコ速し鍾乳洞

 クロアチアはネクタイの発祥地。このオパティアでは伝統を重んじてか、少年、少女達もネクタイをしていた。

 早速、ホテル内のカジノへ入った。19時では客は誰も居ない。何人もの黒服の男性がルーレットやカードの場に立っていた。ラスベガスとも、マカオとも違う厳めしい感じだったが、時間が早過ぎたのだろう。こっちの服装はラフで場違いだった。

Rupaのクロアチア側入国管理

ポイストナ鍾乳洞にて、↓はホライモリ[パンフレットから)

洞窟を出たところで、民族衣装を着たバンドネオンとギター付きの結婚式があり、少し離れて眺めた。思わぬ出会いだった。

涼しさや鍾乳洞のコンサート

 この時、日本から配られた「耳太郎」が威力を発揮する。無線で電波を飛ばし、英語ガイドの説明を、添乗員が通訳した内容がヘッドフォーンで直接聞ける。少し離れても充分に聴き取れる。初めての体験だったが、グループツアーに最適だ。10チャンネルあるので、一度だけあった混信もすぐに解決できた。

 スロベニアのポストイナ鍾乳洞からクロアチアのオパティアへ向かう途中の国境では、スロベニア出国はフリーだったが、クロアチア側で、パスポートの提示を求められた。ベレー帽の兵士がバスに入って入国審査があり、クロアチア語での国名「Hrvatska(フルヴァツカ)」のスタンプが押された。
 通貨は「ユーロ」から「クーナ」になる。国境には両替できるように銀行の窓口がある。有料トイレや別払いの飲み物代に充てるために、二人で50ユーロを両替した。


人去りしカジノの朝のゼラニウム

 国境のRupaを越えると下り坂が続く。やがて、車窓には好天のアドレア海の明るい景色が広がってくる。

 今回のツアーは自由度の無い三食付きだが、飲み物は付いていない。水も有料だ。ワインやビールも水と同じ様な100200円だ。当然の様に、ワインやビールを昼から飲む事になる。

 洞窟内には数億年の時間を経て作り上げた変化に富んだ鍾乳石が神秘的だ。外の光が一切入らないので、照明効果も有るかもしれないが、時空を越えたすばらしい自然の造形を堪能する。第一次大戦で捕虜になったロシア兵が作った橋が洞内にあった。後に観光でこの橋が使われるとは、ロシアの捕虜は予想も付かなかった事だろう。

 コンサートが行われる巨大な空間もある。また、鍾乳洞内には、退化して眼が無いホライモリと云う両生類が生息している。人肌に似た色で「類人魚」とも呼ばれ、絶滅への厳重な保護下にあるが、水槽に展示されている。ガイドの懐中電灯で一瞬だったが、見えた。年に一度、水槽から出して、新しいホライモリと入れ替えるらしい。

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白シャツにタイを緩めの生徒たち

石灰の山越え来れば夏の海

 クロアチア屈指のリゾート、オパティアの宿は真正面にアドリア海を見る大きなホテルで、その建物にはカジノがあった。添乗員によれば、クロアチアだけでなく、この辺りの国では、どこもカジノ観光事業が盛んとの事、これは知らなかった。

洞窟へ目なし守宮の案内かな