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網代・柴漬(ふしづけ)と川海苔を集める人達
12月7日

 こん回の旅へ触発されたのは、詩人のZさんの姪御さんが、ラオスでエコツアーに携わっている話を聞いたことに始まる。(残念ながら彼女は体調を崩されて今は日本に帰国された)
この情報から、日本では、それ程、注目を浴びないラオスについて調べた。ラオスの外貨収入は観光が第一であること、欧米の若者を中心に徒歩で、自転車で、カヌーで手つかずの自然の中を過ごす体験ツアーが大人気なのを知った。そのひとつ象乗りツアーを選んで、日本からネットでこの日の予約を入れていた。

 今までのラオスの主要産業は林業で、多くの象が森に入って木材の運搬に携わってきた。その象達も老齢になっては過酷な使役に耐えられなく、今までは、使い捨てられ、食料や水も乏しい村はずれに集められて、悲しい老後を過ごしていた。象乗りの事業へ参加することは、象にとっては群れと一緒に森へ、そして、川へ入って、活き活きとした余生を過ごす事が出来る。併せて、世話をする人間社会へは、餌代だけでなく、ラオスの外貨獲得にも貢献している。
 中洲から再び川に戻り、日本では見る事がほとんどない、網代や柴漬(ふしずけ)の置かれた流れを暫らく遡る。村人たちが特産の川海苔を腰まで水に入って採っている。象の上から手を振れば返してくれる。
 再び陸地に戻って、しばらくして村の道に入る。バナナやマンゴスティンを栽培している。子供らが遊ぶ家々の間を象はゆっくりと歩く。誰もがすっかり慣れきった様子で、我々に笑顔で挨拶してくれる。オートバイが我々の横を何もなかったように抜いていった。たっぷり一時間を越えて、象のリハビリセンターに戻り、乗るときと同じように体重を移動させて降りた。
 象の背丈に合わせたプラットホームから、背のベンチへ乗り移り、その前の頭部に象使いが跨り、足で耳の後ろを軽く叩きながら御し、手には先の尖った鉄鉤を持っている。これはどうしようもない動きの時に強い刺激を与えるためで、今回は急がすために一度だけ使った。
 その後、ルアンパバーンのホテルに戻り、旅行カバンを取って5時前のハノイへの便に乗るべく空港へ行く。
ハノイ空港には航空チケット手配を依頼した旅行社のガイドが待っていてくれた。そのままこの日は街中のホテルへ直行する。この日はホテルで夕食を済まして休んだ。
象からの撮った写真5葉(Kさんも含む)と象乗りのプラットホーム
 出発して直ぐに森に入り細い道をゆっくりと進み、やがて、川へ入る。途中、急に振り向いたり、止まったり、下りのジグザグの道では象も自分の足場を探しながらの歩みで、なかなかスリリングだ。
我々の前には60歳の雌象に乗ったK夫妻が三メートル程前を行き、我々の61歳の雌象メイコットは二番目に位置し、後ろには六頭がそれぞれ欧米からの観光客を乗せて列を作って二十メートル程離れての行軍だ。落ちないように、ベンチには木枝の棒を渡してシートベルトの代わりを成している。メコン川の支流、水のきれいなナム・カーン川に入って中洲へと進む。冬は乾季で、最も深い場所で象の口元位までで、木の椅子からぶらりと垂らした我々の足元までには水面から50センチ以上の高さを保っている。
突然に前の象が川の中で糞をする。壮大な草食系の糞が流されて行くさまを初めて見た。やがて中洲に辿りついて、そこで、象使いは下りて、私に頭部に移れと催促する。これは貴重な体験と、象の硬い体毛を撫でながら、体重をずらして耳の上で腰を下ろす。催促されてカメラを象使いに手渡して写真を撮ってもらった。なかなかのサービスで、ラオスの観光事業への人と象への教育に感心する。
冬ぬくし老いたる象の背に揺れ

河渡る象のくさめの伝染す

柴漬を少し外して象の往く 
ナム・カーン川上流の滝
 昨日のガイドが同じ車で迎えに来た。実は、象乗りのネット予約から、この現地旅行社の対応の速さと、豊富なプログラム、更に経済性から、ビエンチャン、南部ラオス、ルアンパバーンの史跡観光など全てこの会社に頼んだ。その全ての支払い済ますために、先ずはこの旅行社の本店へ行く。ドイツ人とラオス人夫妻が経営する会社とか、乱雑に散らばっている小さな事務所にはパソコンを置いた机ひとつだけの簡単なオペレーションの様だ。ただ、事務所の外にはアウトドアスポーツのガイドらしき元気な若者が何人もいた。何で信用されたか、未払いのまま、メールのやり取りだけで観光案内をしてもらっていた訳である。客によっては未支払いのまま、逃げる悪さをする者もいるのではないかと妙な心配もした。ともあれ、支払いを終え15キロほど森に入った所に象のリハビリセンターへ向かった。
昼食のテラスから先ほど楽しんだ象乗り
 余った時間を使って、小さなボートでナム・カーン川上流の滝見物に案内してくれた。そこは山の湧き水が滝をつくって林の中を流れていた。ここでも象乗りが出来るようになっていた。山の上から樹間に張られたワイヤーに命綱を引っかけて飛ぶ遊びもあったが、ここは年齢を考えてやめた。
 小舟で象のリハビリセンターに戻れば、既にテラスに昼食の準備がされていて、美味いラオスビールを取りながらたっぷりと時間をかけ、寛ぎの時間を楽しむ。
冬温し再生エコの象糞紙  

風メコン象の糞から紙漉けり 

家族して新海苔を干す川の民