マフィア島の釣り

ダルエスサラームからチャーター機でマフィア島へ遊ぶ贅沢を味わった。

1976年だったと思う。単身、独身赴任者の3人とわが家族4人の7人が、休暇を利用して釣りと海水浴、夜は麻雀を楽しむ趣向だ。

この島には、ヨーロッパからの避寒客のロッジがあり、中でもドイツ人が多い。(第一次世界大戦以前のこの地域はドイツが宗主国だった)

たまたま、セスナ機の操縦ライセンスを持っている日本人の若者がいて、ダルエスサラームからこのマフィア島への航空会社でパイロットをしていた。出稼ぎと自身が話していた。彼からこの島の魅力を聞いて、休みを利用して実行に移した。

パイロットも入れて8人の日本人が単発機に乗り込む。麻雀卓も隙間に滑り込ませてのぎゅうぎゅう詰めて、約40分の飛行だった。

順調に飛び立ち海上を進んで行くうちに、島を覆う雨雲に突入して着陸態勢に入った。雨が猛烈に眼前10センチの窓ガラスに当たる。迫力満点だ。島の小さな空港の滑走路は幸い舗装されていたが、可なりの左側から横風に逆らいながらの着陸。

いささかのスリルを味わうが、若いパイロットの話では、「よくある雨と風で全く問題ない」と云って安心させてくれた。

島のリゾートロッジは隔絶された海岸にあり、開放感溢れ、施設も充実してる。

食事も、電気、水などのインフラも、ダルエスサラームの一流ホテルと比べて遜色なし。

トローリングでの釣りを楽しむのがこの島の目玉であるので、翌日に早速の予約をする。

マフィア島

翌朝、全員が白いのモーターボートに乗り込む。

しばらくは入江の静かな海をトローリングする。

そこで、8キロほどの平鯵とアイナメの様な根魚を釣る。

本命はカジキ鮪でこれは内海から外洋にでなければ獲物は居ない。船長に頼んで外洋に出る。

ここでは海は一変して大揺れの船になる。

昨日の時化の影響も残っていて、5-6mの波。船は波の頂上から一気に水壁に挟まれた波底に落ちる繰返し。

余りの揺れの激しさに、子供たちを抱えたり、また、船酔いで倒れる仲間もでて、早々に内海へ戻った。勿論、カジキ鮪どころではなかった。

内海に戻り、そこで数本のバラクーダー(体長1m位のカマス)を釣り上げて、帰港する。

これらの魚をホテルの調理場へ渡して他の客へも振舞ってもらう事にした。

刺身包丁と醤油は持っていったので、厨房に入って、刺身に下す。どの魚も白身で刺身として上々の味で、多いに楽しみ、他の客も初めての生魚を楽しんだ。焼き物も極めて美味。
夜は、ベランダで南十字星の瞬く夜空で椰子の海風に吹かれたり、雀卓を囲んだり・・

子供は疲れて部屋で熟睡している。

翌日は往きと同じ飛行機が来るのを待つ。帰りは晴天無風の予定通りの飛行だった。

短い旅程だが、ダイナミックな野生はアフリカの海にもあるのだと多いに実感した。


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