八の字にゆるむ裾野や春の富士

<伏見稲荷にて>

子一人に六人集う初端午  首の未だ坐らぬ赤子武具飾る

領海や八方睨みの亀が鳴く

ベランダに風待つ小さき鯉のぼり

幾重にも淡き稜線青き踏む

<万福寺の唐風の総門>

<新林公園にて>

白磁なるマリア観音花の冷え

<篭坂CCの富士桜と富士山>

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句集『縞馬』:日本のサファリ<2013年(平成25年)−3

介護老人保健施設「清流苑」にようやく落ち着いた母だったが、34日に脳内出血で倒れ、施設の医師と様子を見て、翌日に「藤沢脳神経外科」へ緊急入院した。この救急病院では、高齢のため外科手術で脳内の血を抜く方法は採らずに、点滴で止血剤を混ぜて様子を看る方法を採用した。幾度かMRI画像での脳内状況を説明されて、止血され出血の痕も脳に吸収され、その回復を知ることが出来た。

三週間ほどで、救急病院としては治療する事は無くなり、次の居場所を探す必要が出てきた。「清流苑」へはもう戻れない。近くの「長寿園病院」を訪ね、入院待ちが4人と知り、ベッドが空くのを待つ事とした。それまでは、脳神経外科のベッドに置かせて貰った。その間に市役所へ出向いての介護度の再申請をし、4月中旬に要介護5になった。これで「長寿園病院」への入院資格もクリアーされた。そして、425日に母は転院した。

大陸へ向かうファントム屋根替える

父と子の黄金週間竿二本  携帯でキス天指令の帰港かな

<江ノ島の岩屋にて>

走り茶も添え黄檗の普茶料理  華風なる七堂伽藍松の芯

奉納の鳥居万本青嶺まで  天空の誓いは永久に聖五月

富士桜透かし大富士仰ぎけり  春愁をサンドバックへ打ちこめり

 今年からゴルフは週一回と少し数を増やす。体力維持だけでなく、俳句の句材発見にもなる。
 朝の大リーグ放送も、日本人選手の活躍やかつての地元チームの応援で力も入る。東アジアの緊迫によるためか、家の上空をファントムが飛ぶ事が増えてきた。晴れた日には編隊も見える。また、その爆音はとても耳障りだ。

飛花落花おんな守衛の最敬礼  風狂の枝垂れさくらにのけぞりぬ  鳶飛来緊張走る花筵

花影の揺れて明るき隠れ沼   九分九厘完全試合シャボン玉  騎馬駆けし山累々と落ち椿

おぼろ夜に航跡しるき光かな  馥郁とやや子眠るや花の兄

 33日は開成町で二番目の孫娘の初節句。そして、生まれて間もない浦和の孫の初端午が4月に前倒しで行われた。我が子のそれぞれに子を授かり、次第に爺化してくるが古稀にもなれば致し方ない。

この「長寿園病院」は母の終の場所になるだろう。院長さんは長寿で有名だった金さん・銀さんのお世話もされたとか、母も安心して暮らせる所と安堵した。面会も何時でも可能なのだ。

ゴールデンウィークには男家族が一緒に、江の島の「島きち丸」でキス釣りに出る。ほどほど釣れて、その晩は鱚三昧だった。私にとっては、久々の舟釣りだったが、好天気で釣果もあり大いに楽しんだ。

連休の後半は甥の結婚式で大阪へ向かう。前日は宇治の万福寺と伏見稲荷神社の観光を楽しむ。結婚式は高層ビルの最上階で行われ、展望の素晴しい空中にいる様な世界だった。

古民家の奥の華やぎ雛飾る  トーマスら機関車走る雛の宴