句集「縞馬」:日本のサファリ<2012年(平成24年)―6>

廃校の今宵にぎわう盆踊り
峡深し橋より下の夏木立
青あけび絡む崩落防止網
逝く夏や谺の返る湖上駅
コンクリのダムをそびらに秋桜
8月2日で古希になった。「古来稀なり」の長寿なのだろうが、今はまだまだ壮健な人がほとんどだ。
それでも、子供達が集まって祝ってくれた事は嬉しい。「九の井」の離れを一棟借りて、祝い膳で宴を催してくれた。他人を気にしない離れだから、ふたりの孫も参加した。



SLを待つ夏帽子カメラ手に
冷茶享けつSL通過の刻を待つ
秋蝶の濡れた路面を離れ得ず

朝露の窓を一洗ドライブへ
吊り橋へネイチャーガイドの登山靴
御料林とて無遠慮の法師蝉
日翳りて全山かなかな時雨かな

古希と言えば、群馬県の高山で、高校時代の同級生の仲間たちと一泊二プレイの「古希を祝うゴルフ」した。7月下旬の夏ゴルフに十数人が参加するのだから、古希は決して老人を意味しないのだ。
<チンダル湖に架かる寸又峡の吊り橋と見事な杉と檜の林>
<朝の高山ゴルフCCと高山のブルーベリーと林檎畑>
大井川を下って千頭駅ではSLが到着したばかりで、家族連れがSLをバックに記念写真などを撮っている。この千頭駅から14時50分発の金谷行きを大井川に沿って車で追いかける事にした。写真の様に鉄橋を渡るSL、茶畑を過ぎるSL、愉快なドライブだった。新東名は島田ICから使って、一気に帰って来た。

気儘な帰路は途中の大井川鉄道の湖上駅では、めったの来ないアプト式列車を偶然に山から眺める運にも恵まれる。線路を歩いて辿りついた、その駅では、たまたま昨日、ネーチャーガイドと一緒に歩いた夫婦と出会った。
翌朝は二人だけで2時間ほどを歩く森林浴。間伐などの手入れが行き届いているのか、杉や檜の見事な林が朝日を受けて美しい。
涼しさやルンバくるりと古希祝う
<アプト式鉄道の湖上駅・千頭駅の様子>


<立派な祝い膳>

事前に調べて、14時30分からネーチャーガイドと一緒に歩くプログラムに参加する。夢の吊り橋、尾崎坂展望台などを二時間半かけて歩いた。チンダル湖面がミルクを混ぜたように白っぽい。かつて木材を搬送するための森林鉄道があったとか、今も駅舎や機関車の展示などが途中に見られた。
もうろうと塩舐め水飲む夏ゴルフ
<千頭から金谷へのSLを追いかけた>
8月には新東名を使って寸又峡へ一泊のドライブ旅行をした。新しく開通したので、カーナビの地図には載っていない。自分の位置を把握しようと、ナビの中で既存の一般道に入っては、また、掴み損なっている。
新東名の新清水ICを出て、一般道路に入る。そこから3時間ほど掛けて、次第に細くなる険しい道を寸又峡温泉街に入った。
かなかなを聞けばショットの抜き良かれ
湯治場にそぼふる雨や合歓の花
犇めくは古希の裸体よ露天風呂
天然の鮎ぞ中骨するり抜け
ティーショット外すやんまに眼が移り
ブルーベリー喰めば遠目の効くゴルフ
雷鳴にいささか急いてミスパット