黒枠を記す赤ペン初校寒 雪富士の十八相を観てゴルフ
エキストラのから揚げ弁当浜小春 冬の野へおもちゃ箱から兵征けり
地平まで黒き畑や冬の虹(ドイツ) 軒下に陽を集めたり懸大根
侘助や異人の墓誌をそっと撫で 街路樹の土に還れぬ落葉どち
火箸もて熾きろ熾きろと炭つつく 肝狙う男箸と女箸鮟鱇鍋
動き得ぬ吹雪哭く夜の車列かな(NJ) 先生のサンタへ園児の眼が動く
煤逃げや有馬記念へ十万人 毛嵐や都市延焼を止めし川(シカゴ)
朝日燦飛沫氷結風岬(シカゴ) オンドルの地下に雑魚寝や鳩時計(シカゴ)
五番目の孫を懐妊実万両
台風来国道一号線魔界
野分晴いよよ始まるパラ五輪
漁場ごとにトロ箱で競る秋刀魚かな
大雄山最乗寺
孫の成長に反比例して、体力が衰えてゆく。ゴルフの飛距離も飛ばなくなり、クラブは最軽量のアイアン「ENA」を使い始めた。ドライバー兼はXXIO、これで、駄目なら諦めるより致し方ない。その効あってか、少しスコア―が良くなったようだ。
富士山周辺でのゴルフ場でのプレイも多く、何度もその秀麗さを満喫した。
足利学校(↓)と富士小山CC
小鰯の単価は知らず箱で競る 秋暑し頬膨らますトランペッター
すぐ次の駅まで釣瓶落としかな 表札の残る朽ち家酔芙蓉
名月や玉磨くごと雲流れ 秋天を掃き清めたり樹々揺れて
赤トンボ群れる遠野の河童淵 秋高しパンチパーマの副校長
団栗や自販機のみの峠茶屋 たっぷりと肥えた御苑の女郎蜘蛛
銀河濃し明日から今日へ飛行中 体育の日人体左右非対称
ケイタイに釣果がありと鯊日和 信長の攻めし寺領や鵙の贄
鶴翼に鴨の陣張る馬入川 下野の山はなだらか刈田風
小春日や呆けた鯉が水面へ 秋日差す反り屋根高く三家紋
リオデジャネイロ五輪も平和裏に終わり、シカゴカブスが優勝し、イチローも3000本ヒットを達成した。
一方、ロシアのプーチン大統領が来日して盛上り、北方領土の話の進展が期待されたが、マスコミ報道では特段の事は無かった。シリア情勢の厳しい中でプーチン大統領もよくぞ時間を割いて来日したものだ。
世界的にはISによるテロの脅威、難民問題などグローバルに政治的解決を求められているのだが、それによる自国社会の保護を優先する閉鎖的な方向への流れが出来始めている。
アジアは南支那海域へ中国の膨張、韓国の朴政権の崩壊、北朝鮮の孤立など緊張は続くが大きな戦火が無いのは何より。
秋は吟行も多い。波の40周年記念吟行は足柄・鬼怒川方面へ、また蛸の会のオフライン吟行は神宮、青山辺りでいずれも好天で良かった。
近場では大雄山最乗寺を訪ねて紅葉の風情を楽しみ、高校の友人Kさん宅でのボジョレーヌーボーの会も良かった。
句集『縞馬』:日本のサファリ<2016年(平成28年)−4>