句集『縞馬』:日本のサファリ<2016年(平成28年)−3>
若冲の象もたじろぐ梅雨の傘
濡れ石へトカゲ刹那の光かな
ビニールの小袋金魚旅立ちぞ
化粧終え出を待つダンサー扇風機
南極の氷の浮かぶ芋焼酎
ヒト科みな炎暑の日には地下街へ
鉄橋へ汽笛一声さみだれる
SLへ湯屋の客たち団扇振る
泰緬を駈けし機関車半夏雨
家康より竹千代像の目の涼し
恙なくひと日を終えてサクランボ
都心より八方伸びる鉄路灼け
海の家砂さらさらとざらざらと
八月や亡父の戦争備忘録
夏雲や上海からの観光船
肩越しにイルカの跳ねる夏休み
車での遠乗りが億劫になりだした。高齢者による運転事故が社会問題にもなっている。新しいプリウスをディーラーが薦めに来宅したが、もう新車は要らない。事故だけは細心の注意を払って、今の車を乗りつぶす積り。新車をみても興奮しなくなったのは問題だが・・
タンザニアで一緒に過ごしたM船長の好意で、南極の氷を使ったパーティーをわが家でした。6月末には入社同期の仲間たちと、静岡は駿府城と大井川鉄道へ一泊旅行。7、8月には句友のK氏の句集出版祝賀会など、ゴルフと俳句以外も飲み会などで結構に忙しい日々を過ごした。
盆休みには孫たちが全員集合してくれた。みんな丈夫でこれが何よりだ。花火や流しそうめんなどして喜んでもらった。
9月には母の3回忌、アトランタ同窓会と続き、10月はスリランカへ旅で楽しんだ。10月末には波俳句会の40周年記念吟行会で足柄学校など栃木県を巡った。11月の恒例のタンザニア会も良かった。
夫々に思い出を句に残して、余韻を楽しむ。
米国ではマスコミの予想をひっくり返して、共和党のトランプが大統領選挙に勝った。更にこの影響で株価が上がり、ドル高へ。当てにならないマスコミだとの批判がマスコミ内で出てくる皮肉。
グローバル化の反動なのだろうか、イギリスのEU離脱や極右勢力の台頭など、閉鎖的な動きが出てきそうだ。難民など寄る辺なき民はこれから生きるのが大変だ。
上から駿府城の家康像 大井川鉄道 鎌倉光明寺