35日(火):快晴

宿 ⇒ 湯の峯温泉郷 ⇒ 熊野川舟下り ⇒ 熊野速玉大社 ⇒ 神倉神社 ⇒ 浮き島の森 ⇒ 「万清楼」泊 → 忘帰洞

 

<湯の峯温泉郷>

佐々木君のメモ:

早朝、宿の玄関近くの藪で鶯が鳴いていた。鳴き止んだので、口笛で鳴き声を真似てみたら、鳴き返してきた。何度か繰り返し、小鳥ともコミュニケーション?がとれるのかと少し嬉しくなった。

 

宿の空日の出拝むも春寒し       静瑩

春暁に太白独り輝きぬ         恭子

鶯と鳴き比べたり宿の朝        弘明

古草や小栗判官つぼ湯小屋       萬地郎

 

<熊野川舟下り>

佐々木君のメモ:

水の熊野古道で川下りをした。船外機付きの和船である。瀬ではスピードアップ。気持ちのよい船旅であった。

 

瀬に乗りて春波きらり舟疾し      恭子

櫓の音と笛の音響き水温む      展子

淵に立つ柱状節理春光る       展子

界を分け峡を流れる春の川      展子

春光や水面におどる熊野川      牧子

菅笠胴衣似合うぞ春の川下り     幹男

春うらら水より速し川下り        弘明

春の空映りし水面舟踊る        克介

笛の音に春待つ山も聴き入りぬ     克介

頭挙げ見渡す河鵜春近し        克介

うららかや傘地蔵らの舟下り      萬地郎

 

川沿いを下る車窓に初桜       静瑩(バス下り)

 

<熊野速玉大社>

熊野路はいずこも在す春の神     弘道

地の人のやさしさに触れ春の風     静瑩

 

<神倉神社>

佐々木君のメモ:

神倉神社の石段には驚いた。 段差もあり、乱雑な積み方で、かつ、急傾斜の石段である。 御灯火祭では松明を持った氏子衆が駆け下りると言う。 登りも、降りも一苦労。駆け下るにはどんな訓練をするのだろう?

 

神倉の五百の段や春の空       弘道

これでもか神倉坂に緩む土      孝禮 

春浅し神棲む巌に難苦行       克介

春寒や汗の玉散る石の段        弘明

五百段来て霞たる熊野灘       幹男

這い登る神倉神社に風光る      道雄

我をぬく遠足の子ら軽やかに     牧子

春暑し神の磐座へ雑な坂       萬地郎

 

<浮き島の森>

倒木に新芽を宿し浮の島       克介

 

<万清楼 → 忘帰洞>

佐々木君のメモ:

旅館「万清楼」の系列「ホテル 浦島」の洞窟湯に行った。 海に面した大きな洞窟にある湯船に浸かっていると、洞窟の天井から波の打ち寄せる大音響が響き渡る。 湯と音に同時に浸る、稀有な体験をした。

春風や波音高き露天風呂       一郎

岩窟の湯舟に届く春怒濤       孝禮

春の涛轟きわたる忘帰洞       道雄

洞の湯や残響しるき春怒涛      萬地郎

のどけしや浮き桟橋の軋む音     萬地郎

紀の春や宴の膳に湯のかほり     克介

鯛まぐろ梅酒の芽紀の膳に     恭子

那智大社の八咫烏

<車窓から>

紀の国や梅とみかんが寄り添いぬ     克介

 

<中辺路にて>

中辺路の果て無き歩き春の泥      弘道

菜の花や中辺路挑む喜寿の衆      孝禮

喜寿集う熊野古道に春の虹       孝禮

梅の香や心新たに発心門        道雄

木漏れ日が光る木立や春うらら      静瑩

春の虹烟れる山をつなぎたり      恭子

平癒して漸う下る春の辺路       恭子

雨男だれ熊野古道の春時雨       幹男

級友と熊野詣や喜寿の春          幹男

熊楠の叫びのごとし春嵐        克介

上皇も尻はしょったか春の雨       克介

東風渡る水王子でコーヒ飲む     克介

初虹を架け稜線の果し無し       萬地郎

走り根の奔放自在山笑う        萬地郎

春時雨石仏おわす古道いく       弘明

石仏の笑みに送られ春峠        弘明

静かさや山道終わり蛙鳴く       弘明

春泥を踏みつ心は本殿へ        一郎

八咫烏急ぐわれらは春の闇       展子

暮れなずみ梅の香仄と大社かな     基

湯の峰温泉郷↑と熊野川舟下り↓3

熊野詣(昔↑と今↓)

36回35組 第7回修学旅行(2019年3月4日~6日)

恒例となりました修学旅行、今年は南紀熊野へ、昨年同様に15名の参加で賑やかな旅を楽しみました。
事前調査までしてくれた大下さん、そして、片岡君、田中君のお世話で無事に旅を終え、参加者一同は心から感謝しています。

古草や左きみい寺右かうや 

春光を透かす密なる杉木立 

笑う山歩けば膝の笑い泣き 

春なれど男女の岩を分かつ川 

洞の湯や残響しるき春怒涛 

急峻な参道一気遠足子 

春暑し神の磐座へ笑う膝 

三月や三筋三段ご神滝

萬地郎句の追句

3月4日(月)
 新大阪駅に集合し、弁当などを買い込み、くろしお7号で紀伊田辺駅へ1235分着。ここで、有馬君が合流して、マイクロバスにて、熊野詣のひとつ中辺路の基点、発心門王子へ。旅の安全をそれぞれに祈願して、中辺路7キロを本宮まで歩く。そこで、先行し、雨に苦労していた佐々木君が合流。
「湯の峯荘」泊

(佐々木君のメモから)
小辺路・果無峠越えは雨が降ったり、止んだりで、雨具の着脱で忙しい旅になった。 八木尾の登山口から果無集落にかけ、道端に番号付けされた30体ほどの石の観音像が置かれ、凡その位置が判るようになっている。人気の無い静かな登山道が八木尾で終わり林道に接続するところで、民家の庭先の水溜りに蛙が集まり鳴いていた。

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36日(水)

万清楼 ⇒ 大門坂 ⇒ 青岸渡寺 ⇒ 那智大社 ⇒ 那智の滝 ⇒ 紀伊勝浦駅 ⇒ 名古屋駅(解散)

 

<大門坂⇒ 青岸渡寺 ⇒ 那智大社>

佐々木君のメモ:

那智大社に八咫烏を祭る社殿があることに驚いた。社殿の傍らには柱の上に八咫烏の像が置かれていた。古人は3本脚のカラスでも見たことがあったのであろうか?

 

清明の熊野路巡る杖友に       静瑩

お遍路に仁王立ちたる老巨木     克介

参道に貸杖のあり春の泥       克介

大門坂下手な初音に励まされ     孝禮

夢見月空高く飛ぶ八咫烏       弘明


<那智の滝>

佐々木君のメモ:
 那智の滝は水量が少なく、少し残念ではあったが、近くから見られ、滝を堪能した。

那智の滝若葉に映える友の笑み     一郎

水温み飛沫舞立つ那智の滝      弘明

春霞む三すじの滝に神の意思     基

春なれや見上げて拝す那智の滝    萬地郎

田中幹男画伯の「熊野古道」

那智の滝にて

万清楼から忘帰洞の連絡船にて<紀の松島>

神倉神社↑と参道の急坂↓