句集「縞馬」:日本のサファリ<2010年(平成22年)―7

11月号

私のタンザニア在住時には、7歳の長男は平日のアメリカンスクールと土曜日だけの日本語補習校へ通いました。独立後、間も無く、現地校は未整備で、また、通学手段が無く、スワヒリ学校への通学は出来ませんでした。

多くの移民から成る米国の義務教育は、ESL教育が充実しています。これは、英語を第二言語としている児童へ基礎からの英語授業で、私の子供達も大変、世話になりました。

国連が推奨している第三国定住制度の下で、日本は90人のビルマ人を受け入れることに同意しました。欧米の国々に比べて極端に少ない難民の受入れですが、彼らには早く日本の生活に馴染んでほしいと思います。中でも一緒に来日する子供たちへの日本語のケアーが何よりも求められます。

水鏡つつつと走る散紅葉

暮のこる書院造りの白障子

背伸びするダックスフント小春空

古民家に弾む語らい実千両

山門へ写真家二人紅葉散る

円覚寺

根岸・八幡神社

らいらく12月号

(デリー新国際空港)
この十月の旧英連邦スポーツ競技会の開催に間に合うように、インドのデリー新国際空港がオープンし、その直後に訪れる機会がありました。今までの空港では出入国の手続きに三時間以上も掛けていましたが、世界で八番目に広い新空港では30分以内に対応できるそうです。空港へは堂々とした新道路でしたが、これを少し外れると、相変わらず牛馬の通るデコボコ道でした。経済成長を追風にインフラ整備が進むでしょう。しかし、味のある古きインドも残して欲しいものです。

12月号    

十月末に、インドらしくないインド、ヒマラヤ山麓はダージリンとシッキムへ行きました。曲がりくねった凸凹道を四輪駆動車で揺られての旅でしたが、好天気下、ヒマラヤ山脈の景観を堪能しました。インドの猛暑を倦んだイギリス人が保養にこの地へやって来て、そこから撮られた名峰カンチェンジュンガの景はヒマラヤの代表的な写真として世界に紹介されています。住民の七割以上が日本人とよく似たネパール人です。多くの仏教(チベット仏教)寺があります。茶の産地でもあり、目にした満開のヒマラヤ桜は日本の桜の源流とも言われます。ただ、開花時期は日本とは半年ずれています。いろいろと、よく似て、でも、違う風土なのです。

畳まれし三本脚立年暮るる

横浜三渓園の夕暮れ

ひとり来てひとりと出会う冬の山

窓越しに久我美子煤払う


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東慶寺の蔓竜胆

新宿御苑

らいらく11月号

(遊びとは言え・・)
やり直しの利くものと利かないものがある。俳句は推敲して完成させる。途中で文言の入れ替えは出来る。書道は紙に筆を付けたら、もう直せない。俳句は文言を頭の中であれこれ検索して、的確なものを選ぶ。書道は技量を高めて揺るぎないものにする。絵画でも油絵などは書き直す画家は多い。ピアノ奏者は会場で一度叩いた音は戻らない。自分はどっちに向いているのか考えてみたが、そんな極みの世界から遠いのだと悟った。

ベンチから動かぬ二人冬紅葉