句集「縞馬」:日本のサファリ<平成20年―7>

どんよりとした天気、ハングルや中国語の多い中波放送、拉致問題への連想も働く。

11月の中旬、日本海は越前へ車で親戚の男衆5人で、念願の季節の蟹を食べに走った。東名・名神から北陸道の武生ICから目指す越前海岸へ500余キロの一寸したドライブ。伊吹山を横に見てトンネルをいくつか抜けると、劇的に天候が暗み日本海模様になる。

激しい風波の撃ちつける宿で、解禁になったばかりの越前蟹が丸々一匹、横に雌の勢子蟹も一匹皿に乗っている。蟹の脚の刺身や鍋など・・加えて舟盛り刺身などなど上質の本場の海の旬を満喫!味覚への大いなる贅を体験できた。

海鳴りや越前蟹を喰う無言

蟹フォーク休め一献甲羅酒

ハングルのラジオざわつく鰤起し

釣り宿に貼り付いている虎落笛

帰りは紅葉の国宝・彦根城へ立ち寄り、近江牛のすき焼きを昼食に、食道楽を極めた旅だった。

矢狭間より紅葉と湖や彦根城

城垣の石組み疎なり散紅葉

冬さくら井伊直弼は濠の外

<越前の暗い海>

<彦根城>

オペラ跳ね雪にも声のあるごとし

木枯しやブロードウェイの車寄せ

大根引くマグマの栓を抜く如し

木枯らしや路上ライブへ人のなし

その他の作品・・


地芝居の端役らすでに客の席

筋目なき東京夜景空っ風

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