句集「縞馬」:日本のサファリ<平成20年―4>

渋谷の日本語学校が主催する四週間の特別夏期講座の教程に鎌倉吟行句会が組まれ、その手伝いで8月9日の猛暑の中、六カ国七人の受講者と建長寺とその塔頭、回春院を見学し、蕎麦屋で句会を開いた。

この講座のためだけに来日した欧州やアジアからの若きインテリ達と、短冊に嘱目句を投句して清記、そして選句。普通の句会の段取りに大変興味を持ち、日本の伝統文芸に触れる良い機会だったと思う。事前に鎌倉の歴史や俳句に付いて授業も受けていて、日本語中級以上の力で奮闘している姿は実に微笑ましい。

少し添削をしたが、素晴しい発想に大いに啓発され、そして、楽しい一日だった。

雨の中花一輪と春を待つ     キャシー(香港)

雑木林紅くなります雪きます   キャシー(香港)

春の日は恋の日ですね建長寺   アントニオ(イタリア)

暑い朝ハチ公前の待ち合わせ   アルトゥーロ(スペイン)

池に花飛ぶ鶯はきれいです    キャロル(ドイツ)

夏休みの熱量蝉のジュージュージュー                                        

笛の音に蝉も静まる回春院    真知子

尺八に合わせて老鶯谷戸の風   康子

蓮の花にわが名見出す香港の娘  弘道

炎天へ柏槙は身を攀じりけり   眞

蟻の列言葉の壁を這い上る    萬地郎

後日、これらの俳句を書道の指導で掛軸として完成された由、ユニークな教程に感心した。


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夏休み美しい夢木の下で     マルタ(スペイン)

ウンベルト(イタリア)

武士道や鎌倉へ行く夏休み    ワニ(タイ)

写真:

句作風景

鶴岡八幡宮

仕上げた掛軸