句集「縞馬」:日本のサファリ<平成20年―3>

メセナ句会の同人句集「毬音・2」を発行した。実に三年ぶり。第一回で好評だった「同人一句選」に加えて、更に、楽しんだ連句も載せた。自画自賛して読み返すのも良いものだ。

「波」誌の編集に携わってから一年近くなるが、ここは月刊で、しかも、大所帯。毎月の編集は自分には不向きと思うが少し続けるか・・

80年代にシカゴで仕事をした仲間と初めての同窓会。モトローラからのダンピング訴訟を避けて細々と工場稼動した時の仲間。当時セルラー電話と言われて車に取り付け、アメリカ最初の商用サービスした頃に比べて、今の携帯電話の普及と利便性は隔世の感がある。

次男が転職する。職場を移る時間を利用して生まれたタンザニアへ旅行して、サファリに加えて、育った家を見てきた。本人も親もこの国への共通の想いが更に強まって良かった。

日光も月光も背の涼しかり

父の日も父船長で漁労長

虞美人は女形ぞ裏声涼しかり

向日葵や笑いの奥の不発弾

駅前にニセアカシアと会話塾

蚊柱や敵御方なき供養塔

墓銘には甲州勤番黒揚羽

エコバック一番上にサクランボ

ぼうふらやのの字のの字の浮き沈み

江の島の縄文遺跡浮いて来い

バッタとぶ団塊世代のジャズダンス

蛍狩りマンション群の遠明かり

旗手不動予選球場西日席

舟虫や全国一斉休漁中

軒下に印半纏蝉時雨

祭笛空気の弛む書道塾

口ずさむ満州国歌生身魂


涙して蜥蜴つるむや座標軸

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