句集「縞馬」:日本のサファリ<平成20年―2>
春に入れば、外出が増える。この春は4月にシチリア島への旅行が2週間ある。
それまではゴルフがあって、句会や句誌の編集があっての日常なのだが、この春は長男の婚約で両家族が横浜に集って会食した。
先方は鹿児島県からわざわざ出てきていただいた。鹿児島では漁業や農業を大きく営んでおられる由、地に根を張った薩摩人の心意気を感じる。
恋猫や犬は終日つながれて
春まつり島に湯気吹く饅頭屋
江の島や波の割れ目の石ぼたん
春寒や沖の釣り船かたまりぬ
赤椿落ちて江の島一丁目
武士の目洗いの池霾ぐもり
化石みな海の魚や山笑う
のどけしや巻いてはほどく象の鼻
ヘリが来る黄砂と花粉かき混ぜて
立ち並ぶ水子地蔵やつくしんぼ
腑分けめく化学工場黄砂降る
のどけしや喇叭を試す蚤の市
片栗の花やかがいの里へ入る
逆臣の墓と札あり百千鳥
グリーンの隅にワンオン花七分
蝶生まれ先ずは微風に身を置きぬ
草の秀の少し傾いで紋黄蝶
トレーラー馬の子乗せて渋滞路
<鵠沼海岸からの富士>
<日比谷公園にて>