2021年 11月25〜27日(京都)

 聊楽句会の吟行会が京都であり、秋の名所を楽しむ。

      

@11月25日は京都の著名な書家・日展名誉特別会員でもあるK氏の案内で、名勝・渉成園(枳殻邸)を訪ねた。
源氏物語は光源氏のモデルにもなった源融の屋敷跡とも云われ、見事な寝殿造り。
書家が揮毫した渉成園の銀杏黄葉が句会参加者へ配られた。

      
                   渉成園の回棹廊
  
      一対や寝殿造りの池の鴨                  鑓水へ彩を移して散る紅葉

                     雄渾や銀杏黄葉へ筆の文字

@午後は大原へ足を運び、三千院と寂光院を廻る。高校時代の修学旅行で訪ねた。
 寂光院は2000年に放火で焼失し、新しく再建されていた。

     
                       三千院にて

     門跡の庭を散り敷く紅葉かな                錦秋や寂光院の門狭し


@吟行会当日は嵐山界隈を在京の句友の案内で巡る。「竹林の小径」では新郎新婦が記念写真を撮っていた。
 句会は京都町家の和紙関連の会社の一画。句友のひとりがそこの経営者。
 句会後の会食も上質な食事と会話を楽しんだ。

      
                  常寂光寺

      竹の春とや竹林で婚なせり              落柿舎に次庵もありて実千両

                      累々と御髪神社の蓮の骨               

      日に陰に紅葉に埋もる小倉山            足萎えも万歩こえたり京小春


@26日は比叡山へ登った。根本中堂は改修工事中だったが、延暦寺では吹雪に出会う。
  また、比叡の急勾配を昇り降りしたケーブルカーからは虹が眺められる幸運もあった。
  坂本の日吉大社をも訪ねて有意義な日を過ごした。


     
               坂本の町(野面積みの塀)


     底冷えや修復伽藍の金属臭         突と吹雪き比叡の朱殿覆いけり      

     比叡より淡海へ架かる冬の虹        霙るるやケーブルカーの段差急

     炮烙の隅へ丸餅ずらしけり          里坊は野面積みなり散紅葉


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