「波」誌2024年2月号の作品より
「園の景」より 春や春どこか懐かし園の景 山田 貴世
「冬季語で・・」より 埋火の日々のおかげで今日のあり 西室 登
「二月の海」より 胸躍る恋してミモザ咲くを待つ 管山 宏子
潮集同人より8句
黄ばみたる書架の地球儀煤払 原口 海人
悪女めく枯葉の嵩を踏みつぶし 石垣みち代
谷川の音ゆるやかに冬に入る 石井 眞
助詞一字一字の重さ秋ともし 山下 遊児
いさかひの仲を取りもつ炬燵猫 富山ゆたか
農に生れ農を忘れて根深汁 鎌田紀三男
極月の撥かき返す平家琵琶 飯野 深草
メタセコイア冬青空へ手をのばす 田中 順子

冨山撮影
灘集同人より12句
戦争が茶の間に入りこんで冬 板坂 歩牛
人が人殺す地球や底冷す 筒井 洋子
柚子丸し地球も丸し平和なれ 石田 百夏
捨てきれぬものに思い出大掃除 渡辺 初子
振り向けばいつも妻居る小春かな 大平 政弘
金秋や住めば都のこの眺め 工藤 稲邨
子を宿し腹ふつくらと枯蟷螂 脇 美代子
覚悟して冬将軍を迎え撃ち 木嶋 玲子
嵯峨野路は時雨が似合う寂聴庵 井上美沙子
湯豆腐の湯気に解けゆくわだかまり 星野 朋子
省くこと省きたきこと年用意 長野 保代
「イマジン」を想う日々なり鐘氷る 岸 健

霧野萬地郎撮影:アイルランドの風景
波集より12句
どんぐりの落ちて樹海の音となる 宮沢 久子
暖冬やどっこい生きてる女郎蜘蛛 加藤 浩子
青い目の庭師バッサリ冬の埋め 蒲谷トシ子
えぞ鹿のアイヌ名はユク近寄り来 高谷南海絵
戦いのニュース山茶花咲く我が家 柳川 雅子
落葉掻き掻いて掻いても落葉掻き 石河 真通
寂寥のひとつとなりて冬の蝶 工藤加代子
冬の蝶己の影を友として 蓬田 和子
鷹匠の残る町名冬に入る 杉下 赫子
落葉掃き吹かれて飛ぶもそれはそれ 石田 啓子
舟唄手拍子下るこたつ船 藤丸 美生
白虎隊の菊人形に思い馳せ 杉下 弘之

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