

懸崖に白頭の鷲霧流れ
らっこ浮き昼寝すがたで船に寄る

7月27日(日)は予約してあった11時出発のヴァルデス港よりのコロンビア氷河への日帰りクルーズである。朝から霧と雨が混じる天候で、気持ちが盛り上がらない。出航までの間、喫茶店で朝食をとったりして過ごす。港近くに鮭の処理工場があって、その突堤で鰊を釣っている人が何人も居る。見れば、少し先に海面が盛り上がるように鰊が集まって、そこに、カモメが飛び交っている。一匹のあざらしが現れて、工場から捨てられる、鮭の頭を食いちぎるように遊んでいる。突堤の真下に見ることが出来る。獰猛な野生の眼が大きい。タマチャンのイメージには程遠い。
港は入り江の奥にあるのだが、対岸には石油パイプラインの集結した貯蔵庫が見える。
9・11以降はテロの襲撃を警戒して、見学ルートが廃止されていた。(写真下)
30人乗り位の大きさの船に乗る。6時間半のクルーズであるが、出だしからハッキリしない天候である。船長は船を野生動物が見やすいように、フィヨルドの岸近くを走らせ、マイクを通じて説明する。
白頭鷲や、夏を過ごすためにやってきた渡り鳥などが種類も数も豊かである。コロンビア氷河へ向けて進むうちに、ラッコがのんびり仰向けに遊んでいるのが見える。氷河の崩れ落ちた塊も流れてくる。クルーズのスタッフがこれらを網で杓って触らせてくれた。気泡のない見事な氷塊である。鮭の網漁が近くにあって、側で漁船に獲り込む瞬間まで見せてくれた。
こんなことで、結構、楽しんではいたが、肝心の氷河が霧で見えない。二時間ほど行ったところで、船長は、「今日は見えない」と諦め宣言をして、帰港することになった。そして、全額を返金してくれた。どうにもならない天候による結果だが、その潔さに驚く。
帰港しても、いつまでも明るい小さなヴァルデスの町を隈なく回っても知れている。中華料理屋また行って、この日は休養日となってしまった。
ヴァルデス沖の鮭漁船