10月8日(7日目)
この日はエンジェルフォールの直下の展望地までトレッキング。未明の5時に起きて、他のグループに迷惑掛けない様に静かに出発の準備をする。同時に、朝の滝を見るべく、5分ほどで川辺に行けば、日に当たるエンジェルフォールが見事な姿を見せている。アウヤン・テプイの高嶺から一筋の滝が輝く光景に見惚れる。
<ボートからも・・>
<展望台へ向かう>
<下山の途中でくっきりと見た>
キャンプに戻り、簡単な朝食後、7時に出発し、この滝を身近に見れる展望地へホルヘ隊長の先導で熱帯雨林を奥地へ向かう。
赤い河原から熱帯雨林に入り、暫くはなだらかな径を歩み、途中からは可なりの急坂を石と木々の根を伝わりながら1時間半程歩いて展望地へ到着する。滝からは600m離れた岩があるだけの場所だった。
<熱帯雨林をキャンプ地へ戻る>
<奥の滝壺から滝口が見えない>
<早朝のエンジェルフォール>
朝日燦エンジェルフォールの滝頭
帰りも一時間程のスコールに遭い、ずぶ濡れになった。スコールが過ぎて途中のサポの滝を見る。落差46m、巾100mで、水量の多い滝の滝裏を対岸に渡れる径がある。滑らない様に靴下だけで、飛沫を浴びながらの迫力満点の苦行だ。水を透かしての陽光が美しい。それにしても、身体はすっかり濡れ切った。
やむなく、もと居た展望地に戻れば、雲が切れて辛うじて全貌が見えた。世界一高い一条の滝は中ほどで水から水煙に変り、様々な動きを見せて地に落ちている。この滝に滝壺は無い。
雨で増水したキャンプ地からカナイマへの川下りは3時間ほどで、トイレ休憩も無く到着した。
ボートには我々ツアーの残した全てのゴミを纏めて水夫たちが積みこんだ。
こうして自然遺産を守ろうとする地元民の心意気は素晴しい。
<鮮やかな花や実>
<サポの滝裏>
<民家とテプイ>
<展望台に戻って微かに全貌が見えた>
蛍火やガス欠多き産油国
風を呼び日矢も揺れたり滝の裏
滴たるや丸三角の草の屋根
メモ:ウィキペディアと添乗員Nさんの記録メモによれば、岩にぶつかることなく直下する距離は 807 m で、世界最大の落差979mは我々が向った下の滝を含めての落差らしい。
再び舟に乗り、カナイマの舟着場にようやく帰った。ところが宿までの送迎バスがガス欠で遅れるとの事、次第に夕闇が迫るなかで、徒歩で宿まで戻る事となった。かなりの距離を歩くつもりで、懐中電灯やヘッドランプで道を照らしながら鞄を持ってとぼとぼと歩き始めた。しばらくすると、真っ暗な闇に蛍の光が飛び交うのが見える。思わぬ光景にみんな元気を貰った頃、迎えのバスが到着して無事に宿へ向かう事が出来た。
カナイマの宿はカナイマ湖に面したこれまでと比べて瀟洒なコテッジで、久々にシャワーを浴びたのは良かったが、濡れたものを乾かしたりして、結構忙しかった。
湿度に弱いのか、カメラの調子が悪い。
滝裏の水草しっかと群れ咲きぬ
下山も滑り易い岩と根に注意しながら、1時間程かけてキャンプ地に戻る。
途中、見通しの良い場所で滝を振り返れば、雲の離れた滝口がはっきりと見える。更に、昨晩の雨で増水したため、近くにもう一本の滝が並んでいる。
様々な姿を見せた世界一の高さを誇る滝を大いに満喫した。
滝半ば水煙に化す高さかな
霧流れしっかと見たり滝すべて
しかし、雲が纏わりついて、滝頭は全く見えない。遅れて到着する仲間を待つ間も滝の上部の姿は隠れている。元気ある有志は先へ進み、20分ほどで更に近づくポイントへ行ってみる。
エンジェルフォールから落ちた水が再び30m程の滝を成しているが、その滝壺にまでに至る。
そこからもエンジェルフォールの滝口まで、今少しの所で雲に遮られて見えない。