5日目(2) : 6月28日 (ドレスデン→ニュルンベルグ→ミュンヘン)
先ずはミュンヘンの観光名所、バイエルン選帝候の居城ニンフェンブルグ城に行く。17〜19世紀半ばまで造営が続いたバロック様式の宮殿で、ここは戦争による破壊も無く、広大な庭園を抱えて左右対称の優美な姿を残している。ここは建物の外側と庭だけを見た。
その後、まだ日の高いミュンヘン中心部を歩く。何度か訪れているが、正に観光シーズンで人が溢れている。ぞろぞろと州立歌劇場、新市庁舎や双塔のフラウエン教会の辺りを巡る。歩行者通りに見事な砂絵が人を集めていた。ひったくりにでも遇ったのか、若い女性が泣きながら警察に話している。屋外ビアホールは既に満席で賑わっていた。
我々の夕食は400年以上の歴史を持つビアホール、ホフブロイハウス。かつては皇帝だけでなく、モーツアルトやレーニンなどもここで楽しみ、ヒットラーはこの舞台で大演説をぶったとか・・この日はバイエルンスタイルの楽団が勢いよくポルカを奏でていた。1リットルのジョッキを何個も持った給仕が、自慢気に観光客のカメラにポーズをとっている。
でで虫や次ぎ次ぎ抜かれる東独車 緑陰に点る東独アンぺルマン
下闇の先も下闇けもの道 アドルフの髭ふるわせる団子虫
麦秋やゆるりとまわる風力扇 ミュンヘンへ青きホップの蔓高し
ドイツかなビールの泡の量精緻 肩を組みポルカで揺れるビアホール
<アルプスへのアウトバーン>
<ミュンヘンの大道砂絵>
<ヒットラーも演説したビアホール、ホフブロイハウスの大部屋>
<ニュルンベルグの人力タクシー>
<東独の歩行者信号のデザイン・アンペルマン>
ニュルンベルグからミュンヘンへは170キロ。麦や牧草の畑の他にホップの畑が目立ってくる。流石にビールの本場へ近づいた感がある。ミュンヘンに入った辺りで、BMW本社の4気筒エンジンを模した本社ビルを通過した。
25年ほど前、この本社ビルで、サービスが始まったばかりの自動車電話について話をするために、シカゴから出張した事がある。その当時と比べて、本社ビルの周りは車のテーマパークに発展しているらしい。
車に関しては、アウトバーンで一台だけ東独車のトラバントを見た。まだ走っているのと感激した。私が最初に乗ったトヨタ・パブリカと同じ空冷2気筒エンジンで、統一前の東独では何年も待たねば手に入らぬ車だった。統一後、西側との性能比較や、排ガス規制などで衰退したと聞いていたが、今でも走っているのだ。
興味深いのは、日本には無いチェコのシュコダが、なかなか精悍な面構えで、可なり走っている。ディーラー網も出来ているようだ。
統一後、多くの交通標識は西側に合わされたが、歩行者横断信号の人形は東独デザインが残っている。東の人達の思い入れが深い「アンペルマン」と称するこのデザインを使っている旧東独領の街は多い。
<ニンフェンブルグ城>
<エンジンを模したBMWの本社ビル>
<人気のチェコ車・シュコダ>