香港・澳門へ駆け足旅行

1997年の英国から中国へ返還後、初めて香港へ短い旅をした。ここは返還直前まで幾度も出張して、当時、直近の中国返還を控えて香港人の複雑な気持ちを聞いていた。
ある人は中国にまで活躍の場を広げる事に期待し、別な人はカナダへの移住を考えたりして、資産の確保をどのようにするか・・など、大きな時代の潮流が一人一人の生き様にさまざまな影を落としていた。

個人だけでなく、香港の通信会社と一緒に仕事を進めていた無線通信事業は香港政庁では認可されたが、北京の中国政府へのお伺いで頓挫した。理由は通信方式やシステムの過当競争だった。その是非はともかく、中国返還への足音が大きく聞こえていた時期だった。

あれから12年経った。どのような香港になったか興味が高まる。

2月23日、雨の成田空港から9時発のキャシー航空で目的地へ向かう。九州を過ぎる頃から雲が切れて海上が見えてくる。時差を一時間遅らせて午後の一時前には香港へ入った。

パイロットを泣かせたビルすれすれに着陸していた、あの啓徳空港は既に閉じられて、新たにランラオ島に国際空港へ着陸する。

入国も通関もスムースに空港ロビーに出れば、現地の旅行社が旗を持って迎えてくれた。初めて見る機能的な新空港だ。
われわれ以外にも別々な七組のグループが集まるまで待って、それぞれの宿泊ホテルへバスで送り届けてくれる。その後は勝手に観光できる、そんなパック旅行プランなのだ。
(東シナ海の色はエメラルドに変わる)

国柄の並ぶ尾翼や春の雨 

雲上は眩しき樹氷の立つごとし

己が航く機影の跳ねる春の雲

機は奄美上空春の海光る

(香港の花、洋紫荊)

航引くや春の日矢射る支那の海

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