<両親の来タンザニアーV>

日の光が眩しい翌朝、ホテルの周りを散策すれば、白い首毛のブルー・モンキーたちも近づく。鳥の声も滝の音をバックに鋭く聞える。

昼間のザンベジ河遊覧船に乗る。川幅の1000mを越える大河はゆっくりと豊かな水を滝へ運ぶ。

滝の上流をゆっくりと船で廻れば、遠くの岸や水に群れをなす河馬やワニたちも見える。

岸の向うは背の高い葦に覆われた野生地なのだ。様々な動植物が生息しているのだろう。

帰りの便の翼から煙が発生している。

リビングストン空港を出て間もない上空で、乗務員が忙しく動き、急遽、戻る旨のアナウンスがある。
最前列の座席から、パイロット室の動きが見える。しばらく大きく旋廻して、燃料を棄てて帰港体制を取る。乗客は万が一に備えての頭を下げた姿勢のまま、機体は無事に着地する。消防自動車が何台も滑走路を併走しているのが見えた。

小さな空港で、ザンビア航空の機体が用意されていないために、ルサカから新たな飛行機を運ぶために延々6時間も空港で待った。

ルサカ到着は遅れたが、無事に移動できて何よりだった。

翌朝、ルサカの市街でみやげ物を求める。ザンビアは銅の産地なので、その民芸品の皿を、親達と揃って買う。

また、木彫りもタンザニアのマコンデとは異なり、レースのような透かし彫の面がユニークでそれも買う。

そんな我々を遠巻きにして複数の人が次第に輪を小さくするように近づいて来たのが、何となく不審に思えて、思わず全員で、近くの土産屋へ飛び込んだ。

店員から外人目当ての街の札付き不良と知らされて、ホッとする。間一髪だった。

それやこれやの両親達のアフリカ旅行は、終わったが、ドバイ行きの帰国便を最後に、東アフリカ航空は消滅して、合わせて、ケニヤ・ウガンダ・タンザニアの東アフリカ共同体も決裂した。
正にドラマチックだったのだ。

両親達は日本への帰路にタイのバンコクに立ち寄り、片山ご夫妻の歓迎を受けて、更に色ある旅の想い出を作った。

<ホテルの庭>

<ザンベジ河の船から>

<リビングストン空港に戻った問題の機体>

<ルサカ市内にて、この後に難を逃れる>


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