句集『縞馬』:日本のサファリ<2014年(平成26年)−2>
義仲寺
昨年から始まった、湘南高校の同窓生の「修学旅行」が今年も行われた。細やかな旅程を今年もO女史が組んでくれた。昨年は行く事が出来なかった幹事のKさんも加わって、また、参加者の殆どが、年男、年女で愉快な旅となった。旅の後で俳句をメールで寄せ合って、思い出をつないでいる。
雪の座に弟子揃うがに翁堂
義仲に何をかたるや膳所の冬 たかのり
新春に話はずんで寺をパス 展子
石山寺
平安の雪に通じる石山寺 たかのり
ハラハラと舞う粉雪や気が晴れる としこ
軒反りの舎利塔近江の雪のせて 萬地郎
石組のなぞなぞ解けず懐手 萬地郎
聖林寺
冬うらら子安地蔵は三頭身 萬地郎
飛鳥路や空に白雲地に菜花 としこ
萬地郎
風花や山に紫式部像 萬地郎
京寒し故事を説く君詮無き衆 愚彦
小走りの芸妓がひとり宵えびす 萬地郎
廃仏を逃げし離れの冬仏 萬地郎
<東司の柱を使った東福寺の庭園>
<伊勢の居酒屋前>
<橿原神宮>
冬草や酒船石に登り着き 本三位中将
凍て土に埋もれし飛鳥の大伽藍 本三位中将
飛鳥資料館
枯草に陽だまり探す奈良の猫 展子
熱燗や過ぎにし年を吹き飛ばし 本三位中将
<聖林寺の山門>
残照に見せ場を得たり枯れ野山 みきを
仏頭の有りし遺構や返り花 萬地郎
冬夕焼け岡寺辺りか小さき塔 みきを
待ちかねた旅はすぎてもまだ睦月 展子
冬帽子虚無僧寺へ目礼す 萬地郎
妙顕寺
<我々の団体名を付けた貸切バス>
飛鳥路にて<藤原京址・石舞台・飛鳥寺>
無辺なる藤原京址名草枯る 萬地郎
明王の睨み木眼なれど冴ゆ 萬地郎
冬木立古今の栄華東福寺 たかのり
胴冷えて仏観たかやすわ東司 弘道
着ぶくれて結界を越えまた戻る 萬地郎
<飛鳥資料館の山田寺回廊>
古稀過ぎし旧友十人寒の京 みきを
同聚院・東福寺・芬陀院(雪舟庭園)
蓮枯れて氷の花に東福寺 展子
旅の想い
毎日が新年と願う古希のわれ 展子
冬枯れや飛鳥古道にバスはなし 本三位中将
<飛鳥大仏>
円窓によろし障子の半開き 萬地郎
<義仲寺の翁堂と石山寺の紫式部>
<芬陀院にて>