明月院にて→

(藤沢宿吟行3句)
小春日や高み高みへ鳶の笛 


 首洗い井戸の底意か落葉舞う 


任侠のやがて住職実百両


 冬没日さねさしさがみの海の涯 


頭より鯛焼き食うてはひふへほ


 今朝の富士また冠雪の裾広げ


渋柿の干されし皺に陽の甘さ

この年の夏から秋にかけては、可なり異常だ。冷夏の様な気候から、8月、9月、そして、10月まで暑い日々が多かった。加えて、10月、11月の台風は風に加えて、雨量が多く、そして、進路も関東直撃が続いた。特に、千葉県では風害が、長野や川崎などでは豪雨による川の氾濫で、多くの家々がその水害を被った。幸いにわが家は風によるOMソーラーのパネルがズレる被害だけだった。

7月末に広島支部の句会へ主宰と参加した。記念式典直前の平和公園や厳島神社の宮島などを案内して頂くなど大歓迎を受けた。

8月末に、疎開先の井出・佐野川温泉に親戚が集まった。何年振りかの話で盛り上がり、その後もメール俳句を通じて、情報を交換し合っている。

日ごろは顔を合わすことの無いネット句会の仲間たちと東京に集まり、芝公園から隅田川を船で浅草界隈を歩いて楽しむ。

年に2回を楽しむ海外への旅行はなかったが、ゴルフと俳句(編集も含めて)などで過ごした。現在は波誌の編集以外に、俳句関連としては、毎月4回の句会、6回のネット句会がある。これは結構な忙しさなのだ。

ラグビーW杯が日本の各地で行われ、日本チームのベスト8に勝ち進んだ事もあり、大いに盛り上がった。テレビ観戦だけだったが、激しいぶつかり合いやスピードなどと、オフサイドでの敵味方の交流が爽やかさ、魅力的なスポーツと改めて認識した。タトゥーした選手の多いこと!

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↑山法師の実

台風15号により割れた遊行寺の大銀杏↑

見神の滝(平河町)↑
落武者(祖先)の隠れ住居跡↓

厳島神社

句集『縞馬』:日本のサファリ<2019年-5

月山を拝し始動の稲刈り機     鳴き負けてぷいと飛び立つ秋の 


  野分とて歩けや歩け一遍忌    秋刀魚好きオール電化を敬遠す 


(佐野川温泉わわわの会の4句
稔田を猛禽凧の舞い狂う      勢いのままに落くる秋の滝


  長老を囲む古老ら温め酒     落武者の父祖の隠れ家秋の蛭


(芝離宮→浅草吟行4句)
明治帝の見晴台とや実むらさき    殿愛でし西湖一景松手入 


  空高し遊覧船の屋根低し      秋晴や埠頭に赤きキリンたち


曼珠沙華群れて火となる過疎の村  秋の蚊のたじろぐ二の腕タトゥーかな 


  宵闇や日本の見えぬ六本木    大銀杏斃れ南無南無唱えけり 


香を零し金木犀の大団円      もみずれる山法師の実食うてみよ 

鍵盤を走る子の指涼しかり     萬緑をまあるく収め悟り窓 


  海の日に山の天気をきく女    香水の強き営業課長補佐 


滝落ちる重力やがて無重力    暮れなずむ象舎を囲む鳳仙花


(広島にて4句)
空蝉や被爆ドームはがらんどう   神域の小流れ鹿の水遊び     


  街炎える誰も赤ヘルサポーター  二番目に旨い店とや冷し酒