「らいらく」 4月号より
スポーツ涸れの冬季でオリンピックの報道は湧きあがりました。フィギュアースケートでは、日本代表のリード姉弟や、ロシア代表の川口さん、また、アメリカ代表として長州さんなどの国境を越えた活躍に興味を持ちました。本来は個人の競技であるべき大会が、メダルの数を国家間で競う傾向の中で、これらの代表スケーターは意味深いと思いました。海外で活動する事は、云わば、他人の家で過ごす事です。社会環境の異なる世界に身を投じて目標を目指す彼らが素晴しく思えました。
「波」誌4月号 編集後記より
宮崎県で木材利用の研究をしている農学博士から木造建築の利点を聴きました。資源を掘り尽している石化建材と異なり、太陽エネルギーと水で育つ木材は再生可能であり、また、炭素を封入してしまうので、CO2削減にも大いに役立つと云うものです。生きる環境にもすばらしい居住効果を出すようです。生まれたばかりのネズミでの実験ですが、木箱で過ごすねずみの生後6カ月の生存率は、鉄やコンクリ箱のそれに比べて五倍以上高いとの事でした。この講演を聴いて、枯渇する鉱物資源の利用から、伐採ではなく、植林などの計画をもって森林と付き合う、そんな時期が来ていると思いました。